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決算書の信頼性を高める中小会計要領

中小企業の多くは、中小会計要領(中小企業の会計に関する基本要領)に基づいて決算書を作成しています。中小会計要領は、中小企業の実態に則したルールであり、かつ、経営者の役に立つもので、金融機関から高く評価されています。改めて中小会計要領のポイントを見てみましょう。

決算の基本の「き」を学ぶ<損益計算書作成の4つの原則>

決算とは、会社の財政状態を経営成績を確認するために、人為的に区切った期間(通常は1年間)で会計帳簿を締め切る手続きを実施する一連の行為を指します。これから約4回、決算の基本について解説していきます。まずは、損益計算書作成の4つの原則から確認してみましょう。

現金管理をしっかり行っていますか?

現金は持ち運びが容易で、記録や証拠として残りにくい特性を有するために、過不足が生じたり不正が起こりやすく、ミスや不正を未然に防ぐためにも現金管理は非常に重要です。 また、税務調査においても現金は重要な調査項目の一つです。それは、「現金実査はその結果が直ちに、ある程度の会社の処理の正確性を確認するのに役立つ」(『税務調査と証拠書類の揃え方』)といわれるように、現金管理が適正に行われているか否かによって、その企業の経理水準がおおむね推測できるからです。 現金管理がきちんとできていれば企業の会計上の仕組みや内部牽制が機能していると判断されるでしょうし、逆に、現金管理がずさんだったり、「現金残高は社長の財布の中」といった状況であれば、売上げや経費の計上にも不備がある可能性が高いと判断されることになります。

その支払いは「外注費」で大丈夫?

個人事業主に仕事を請け負ってもらうといったことがありますが、これを請負契約による「外注費」として処理していても、ケースによっては税務調査で「給与」と指摘されてしまうことがあるので注意が必要です。

消費税増税(10%)に伴う経過措置 ~駆け込み需要への対応~

平成29年4月から消費税の10%への引上げが予定どおり実施されれば、増税前の駆け込み需要が予想されます。特に、完成引渡しまでに長期間を要する請負工事等については、増税半年前の平成28年9月30日までの契約であれば、平成29年4月1日以後の引き渡しであっても、経過措置によって8%の税率が適用される場合があります。

消費税改正に備えて再確認したい帳簿の記載事項

平成29年4月1日からの消費税率10%への引上げが行われた場合、軽減税率が導入されると複数税率になります。インボイス式の導入も予定されており、仕入税額控除の要件も厳格化されます。これに対応するためにも、現在の記帳に不備がないか、再確認しておきましょう。