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現金管理は会計処理の基本中の基本
現金は持ち運びが容易で、記録や証拠として残りにくい特性を有するために、過不足が生じたり不正が起こりやすく、ミスや不正を未然に防ぐためにも現金管理は非常に重要です。
また、税務調査においても現金は重要な調査項目の一つです。それは、「現金実査はその結果が直ちに、ある程度の会社の処理の正確性を確認するのに役立つ」(『税務調査と証拠書類の揃え方』)といわれるように、現金管理が適正に行われているか否かによって、その企業の経理水準がおおむね推測できるからです。
現金管理がきちんとできていれば企業の会計上の仕組みや内部牽制が機能していると判断されるでしょうし、逆に、現金管理がずさんだったり、「現金残高は社長の財布の中」といった状況であれば、売上げや経費の計上にも不備がある可能性が高いと判断されることになります。
日々の現金管理のポイント
現金管理がきちんと行われているか、まず以下のポイントをチェックしましょう。
銀行振込・振替の活用
現金の受払いを極力減らして、銀行振込や振替を活用しましょう。現金には、精算や有高の確認などの業務が日々あり、経理処理上のミスや紛失といった事故も考えられます。
こうしたミス等を避けるためにも、銀行振込・振替で支払いや入金を行う方法があります。
ネットバンキングや法人用クレジットカードの活用
金融機関に出向かずに振込・支払いの取引内容が確認できるネットバンキングや法人用クレジットカードの利用があります。ネットバンキングから取引明細をダウンロードして、仕訳データとして利用するサービスも始まっています。
なお、ネットバンキングの入出金明細などを利用して、速やかに日々の取引を記帳(FXなどに入力)することが重要です。また預金口座の残高と帳簿残高が一致しているか確認します。
<会計事務所の指導によるFintech(フィンテック)対応>
経理事務担当者には現金・預金の管理や各取引の正確な仕訳などの事務処理が必要です。
今後、こうした事務負担を合理化し軽減する方法として、FinTech(フィンテック)サービスの活用が考えられます。FinTechとは「金融(Finance)」と「技術(Technology)」を掛け合わせた造語で、広くITを活用した金融サービス全般をいいます。現在、財務・経理部門のFinTechサービスを提供する会社がありますが、安易に導入せず、会計の専門家であり貴社の経理の流れをよく知っている会計事務所の助言を受けることをお勧めします。
なお、会計事務所の指導によるFinTechサービスとして、銀行や信販会社の取引データを読み込んで仕訳ができるサービスが始まっています。
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