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経営者マインドの維持には経営計画が必要

2018年8月 6日

経営計画は、自社の経営方針を具体化し、進むべき方向性を社内外に明らかにするものであり、経営者マインドの維持に不可欠なものです。先の見えない、変化の激しい時代であるからこそ、経営計画(目標)を立て、目標に向かって事業に取り組み、実績値と比較して、次の行動に生かすことが必要なのです。

経営計画を持ち歩き、経営の判断基準とする経営者も!
経営計画は、企業がその将来に向かって、経営ビジョンや目標を達成するために作成するものです。
経営には、不安がつきものです。製造業なら「急に、注文が入らなくなった」、小売業なら「最近、売れ行きが悪くなってきた」など、経営者であれば、常に先行きについての不安はあるものです。将来への不安があっても、目標(計画)があれば、そこに向かって事業に取り組む意欲が湧いてきます。このような経営者マインドを維持するためにも経営計画が必要なのです。
計画と比較して、マイナスの差異があったとしても「(差異を埋める)手立てはないか」、例えば「売上アップ策を5つくらい考えてみる」など、そこをスタート地点として、次の行動につなげることが大切なのです。
作成した経営計画書をカバンに入れて常に持ち歩き、経営の判断基準として活用している経営者もおられます。

経営者の描くビジョンを計画に落とし込む
経営者であれば、誰しも、3-5年後くらいまでに、なりたい姿や実現したい夢・目標などがあると思います。最初は、そのような思いを計画に表してみるだけで良いのです。
具体的には、次のようなものです。

  1. 3年後に、売上を1.2倍にしたい
  2. 売上〇億円を達成したい
  3. 3-5年後には、2店舗目を出店したい
  4. 3年以内に借入金残高を半分以下にしたい
  5. 業態転換や新事業展開をしたい
  6. 3年後に累積赤字を一掃したい
  7. 5年以内に後継者へ引き継ぎたい

上記の例1,2のような目標であれば、新たな取引先や販売エリアの開拓などを検討し、営業戦略を立てましょう。
3の店舗出店に向けた計画であれば、場所を探し、売上予測、スタッフの採用と育成などを具体的に計画していきましょう。
7の事業継承であれば、後継者が継ぎたくなるように、会社の磨き上げや自社株式の整理や譲渡などを計画します。
このような計画は、経営者の方針を具現化し、自社の方向性を明らかにして、社員と共有化をはかり、その実現に向けて活動するために必要なものです。

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経営計画は一つではありません
経営計画は、一つでなければいけないということはありません。その目的ごとに数種類の計画があっても良いものです。前途のような計画の他にも、例えば、経営改善など、会社が生き残るために確保するべき利益を積み上げる計画もあります。このような計画は、金融機関に対して、自社の将来性をディスクローズし、融資などの支援を受けるためや、信頼性を高めるために必要な計画です。
その他にも、例えば、特例事業継承税制の適用を受けるために、継承時までの経営の見通しなどを簡単に記載する特例承継計画もあります。

中長期の計画から短期(1年)の計画に落とし込む
経営計画には、長期経営計画(10年程度)、中期経営計画(3-5年)、短期経営計画(1年)等があります。

1.長期経営計画
経営方針、長期的なビジョンや「10年後にどうなっていたいか」などをまとめたものです。

2.中期経営計画
企業の進むべき方向性を明確にし、「今、何をするべきか」を明らかにするため、「現状から見た将来を示します。現状が変われば、将来も変わるため、中期経営計画は毎年、見直すことも必要です。

3.短期経営計画
短期経営計画は、中長期の計画をもとに、1年の数値計画に落とし込んだものです。今を知るための具体的な"モノサシ"になります。
予算と実績の差異を測るためのものですから、一度作成したら変更してはいけません。

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正しい経営判断の基礎は月次決算から
正しい経営判断、業績との比較のためには、経営計画が正しい数値に基づいて策定されていなければなりません。
そのために、日々の記帳に裏付けられた正しい月次決算データが、経営計画策定の基礎になります。

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