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月次決算データは宝の山!経営に活用しよう

2023年6月19日

自社製品の雑貨がテレビで紹介されたことをきっかけに顧客が増え、売上も伸びている小山工。ところが、顧客、注文増に対応できるだけの従業員がおらず、従業員は疲れ切っています。小山社長は人を雇いたいと考えていますが、可能でしょうか。

 

人手不足だから新人を雇いたい!経営は大丈夫?


  • 社長
  • 最近、当社の雑貨がテレビ番組で紹介されまして。ありがたいことなんですが、現場が回らず、2人ほど増したいんです。

  • 巡回監査士
  • それはうれしいことですね。ご相談いただいたということは何かお困りかと思いますが、具体的にどこまで検討しておられますか?

  • 社長
  • 月間で2,000千円の売上アップを見込んでいますが、2人分の人件費が700千円かかります。
    当社の粗利率は3割くらいですから、粗利は600千円(売上高2,000千円×粗利率0.3)くらいですよね。人件費を払うと、かえって損をするのではないかと心配しています。

  • 巡回監査士
  • 社長、2人雇えますよ!
    それを確かめるには、売上高の増減で変化する費用を変動費に、売上高にかかわらず発生する費用を固定費に分類した変動損益計算書が有効です。これなら、売上が変わった時のシミュレーションが簡単で、経営上の判断をする時に役立つんです。
    新しく2人雇うと、御社の月次変動損益計算書は図表のようになります。いかがですか?

  • 社長
  • 損をしないどころか、経常利益は300千円増えるんですね!これなら思い切って増員できそうです。

 

毎月の売上高・限界利益の推移から増員のタイミングを見極める


  • 社長
  • とはいえ、今回の売上増の勢いが一過性のものかどうか少し見極めたいものです。

  • 巡回監査士
  • そのためには月次決算の徹底が重要ですね。変動損益計算書を活用し、毎月の実績をしっかり把握すれば、何か問題が起きた時でも素早く対応策を講じることができます。変動損益計算書は経営意思決定のための力強いデータといえます。

  • 社長
  • まずは実績を毎月きちんと確認し、売上が見込み通り上がっているか、増員したことで赤字になっていないかなどを見極めていきたいと思います。

  • 巡回監査士
  • 月次決算は黒字決算の基本です。経理体制も仕組みさえつくってしまえばそんなに難しいことではありません。そのための3つのポイントを押さえましょう。

    (1)適時正確な記帳
    適時正確な記帳が前提です。売上はもちろんのこと、売掛金の回収、仕入や支払い、経費などの動きをタイムリーに記帳することで、月次決算の正確性が高まり、自社の経営状態を正しく把握することにつながります。

    (2)「自計化」の徹底
    「自計化」とは、証悪の整理や仕訳入力等の経理業務をすべて自社で行うことです。これにより自社の経営状態をタイムリーに把握でき、問題点等にも迅速に対応できます。

    (3)請求書や経費精算の管理
    取引先からの請求書や経費精算のための領収書などが毎月、一定期日までに経理に集まり、処理できるような体制を整えましょう。そのために社内外に協力を呼び掛けることも必要です。


  • 社長
  • 増員以外でも変動損益計算書のデータはいろいろな課題解決に役立ちそうですね。そのためにも月次決算を徹底していきます。

 

【参考】TKCの会計ソフト「FXクラウドシリーズ」を活用しよう
TKCの「FXクラウドシリーズ」を活用することで、最新業績を「365日変動損益計書」で確認することができます。
また、部門別業績管理や業績評価マトリックスなど、経営者の意思決定に役立つ機能が搭載されています。