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企業は、税法や会社法に基づいて年に一度「決算」を行いますが、自社の業績をいち早く把握して、経営判断に役立てるためには「月次決算」が不可欠です。黒字化によって自己資本比率を高め、事業を継続することが企業にとって重要になる中で、月次決算はどのような役割を持っているのでしょうか。
役割①毎月の業績を早く、正しく把握できる
月次決算は、毎月末を決算期末とみなして、月次の試算表をもとに毎月の業績をいち早く把握して、経営判断に役立てるために会社自らが行うものです。
「毎月の売上や利益は大筋でわかっている」
「売掛金残高や資金繰りの予定も頭の中で把握している」
という社長もいると思います。
しかし、社長の頭の中のことは、社員にはわかりません。全社一丸となって事業に取り組むには、常に自社の立ち位置を把握して、社員と情報を共有することが大切です。
それには、月次決算によって客観的な数字を把握できる体制をつくることが重要です。
月次決算によって最新の正しい業績を把握することで、例えば、災害や新型コロナウイルスなどによる急激な経営環境の変化があった場合でも、影響の予測や資金繰り対策などへの素早い対応が可能になります。
役割②粗利益率、資産、負債の増減を確認
粗利益率が、大きく増加している場合、仕入や外注費の計上もれがないかを確認します。反対に、大きく減少している場合、売上の計上もれや商品・仕掛品などのたな卸資産の計上もれが考えられます。
これらは、売掛金やたな卸資産、買掛金など資産・負債勘定の増減に表れます。
役割③業績の小さな変化を見逃さない!
月次決算で当月の業績を把握したら、前月や前年同月、あるいは月次予算と比較し、何が増えたのか、減ったのか、その原因は何か、を考えます。
小さな変化を見逃さないことが大事です。
良い兆しがあれば、今後の業績拡大につながるヒントになり、反対に悪い兆しがあれば、原因を探して早めに手を打つことで影響を小さくすることができます。
役割④現状報告によって外部評価を高める
金融機関は、融資先企業における融資資金の事業での活用状況、業績の推移などの情報を常に求めています。
月次決算によって、月次試算表を毎月提出し、さらに社長自身が現状を報告することで、金融機関の自社に対する評価も高まります。
また、毎月の試算表の提供によって、設備投資の予定があるとき、急激な経営環境の変化により資金繰りの手当が必要になったときに、融資審査がスムーズに進む可能性があります。
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