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決算日の前後にやるべきこと<決算の基本の「き」を学ぶ>

2017年4月10日

カテゴリ: 会計

決算手続きでは、決算日現在の資産、負債の実在性や網羅性を確認し、確定させて信頼性のある決算書を作成しましょう。

税務届出の有無と売掛債権、たな卸資産、固定資産を確認する

経理部長:今月は決算月です。決算日までにやっておかなければならない決算手続きはありますか。

税理士:翌期から税務届出の変更を行う場合、届出期限までに間に合うように届出書を提出しなければなりません。
特に、消費税の各種届出書の内、提出期限が決算日となっている届出には注意が必要です。
来期の利益率の増減や多額の設備投資計画などは納付する消費税額に影響があるため、事前の情報提供をお願いします。

経理部長:社内の手続きで、何かやるべきことはありますか。

税理士:売掛債権、たな卸資産、固定資産などの財産について、決算日までに済ませておきたい社内手続きがあります。
特に、財産が「重要な財産」に該当する場合には、取締役会や株主総会の承認が必要ですので注意してください。

  1. 滞留債権、不良債権への対処
    回収の見込みのない債権があり、検討の結果、債権を放棄する必要がある場合には、決算日までに債権放棄の通知を発送してください。

  2. 死蔵品、たなざらし品の処分
    処分しなければならない死蔵品やたなざらし品があれば、決算日までに廃棄しましょう。

  3. 固定資産の確認
    固定資産台帳と現物を突き合わせし、売却や除却が必要なものがないか、確認しましょう。

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たな卸資産や固定資産については、廃棄や売却を確認できるよう写真や処分業者の領収書などの証拠資料を保存しておきます。


資産・負債の実在性・網羅性を確認し、確定する


経理部長:決算月の月次決算が終われば、いよいよ決算ですね。

税理士:月次決算を12ヵ月積み上げて一年間の決算とするので、精度の高い試算表ができあがっています。
ただ、決算手続きの基本的な考え方は、期末における財産すなわち資産・負債の一切を帳簿を離れてその実在性や網羅性を確認し、確定することにあります。

経理部長:社内では、具体的にどのようなことをすればいいのですか。

税理士:貸借対照表に計上した金額に証拠力を持たせるため、預金や借入金については決算日現在の「残高証明書」を取り寄せて確認します。得意先に対して「残高確認依頼書」を発行して確認をとるのもいいでしょう。
「資産として実在しているか」だけでなく、将来のリスクに備える意味で資産としての評価の妥当性についても検討しなければなりません。
大幅な評価損が見込まれる資産がないか、確認しておきましょう。

経理部長:資産・負債の勘定科目の金額を確実に確定させていくわけですね。

税理士:複式簿記による貸借対照表、損益計算書は表裏一体で作成されることになるので、貸借対照表の資産・負債の勘定科目の金額をもれなく確定させれば、総額主義の原則にしたがって損益計算書の金額も正しく表示され、当期利益も正しく計算されることになります。


貸借対照表においてはワン・イヤー・ルールに注意


経理部長:決算書を作成する上で、注意する点はありますか。

税理士:貸借対照表の作成にあたっては「ワン・イヤー・ルール(1年基準)」によって分類することから、同一の取引で勘定科目が短期・長期の2つになるケースがあります。
例えば、金融機関からの長期借入金は、一年以内返済長期借入金(流動負債)、長期借入金(固定負債)に分けて計上します。計上が正しいか、返済予定表で再確認しましょう。

経理部長:ここまでの確認が終わったら決算も終了ですね。

税理士:税務申告書には、勘定科目の内訳明細書を作成して添付しなければなりません。取引先の名称や住所を正しく表示する必要があります。
特に新規の取引先で売掛金や買掛金の残高がある場合は、正しい名称や住所を確認しておきましょう。