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自社を客観的な視点でみてくれる金融機関とコミュニケーションをとろう!

2023年8月28日

金融機関がいま注目している中小企業の「経営の透明性」。それは、健全な経営努力を継続し、その結果を表している自社の財務データを定期的に開示することです。金融機関と中小企業との共通言語である「決算書」を開示して、金融機関と積極的にコミュニケーションをとりましょう。

「決算書」は重要なコミュニケーションツール!

中小企業にとってお金の「入り口」は、
①取引先からの売上の入金
②金融機関からの借入
の大きく2つに分けられます。両者とうまくコミュニケーションをとり、時に膝詰めで交渉することは、重要な「社長の仕事」の1つといえます。
ところが、「取引先とはうまく話せるけど、金融機関と話をするのは苦手」「金融機関に何を話せば良いかわからない」といった方もおられるでしょう。
そうした中、金融機関と話をするときの重要なコミュニケーションツールが、日々きちんとつけられた帳簿(仕訳)を基に作成された「決算書」です。金融機関にとっては、融資したお金がその企業の事業活動に正しく使われ、滞りなく毎月きちんと返済されることが何よりも大事。だからこそ、そのための判断材料が、中小企業の決算書からきちんと読み取れるかどうかが大切になるのです。
金融機関は、「資産の実態はあるか」「粉飾が行われていないか」という視点から、決算書の中で特に次のような点を見ています。

金融機関がチェックする決算書のポイント

●売掛金:回収が困難なものはないか(倒産破産した取引先からの売掛金が含まれていないか)、売上債権の回転期間
●在庫(棚卸資産):在庫金額は適正か(架空のものはないか・商品価値のないものは含まれていないか)、棚卸資産の回転期問
●固定資産:存在しない固定資産が帳簿に載っていないか、過剰投資されていないか、減価償却は正しく行われているか
●仮払金・貸付金:不自然に多額の残高がないか(資金の社外流出の可能性はないか)

このように、金融機関がチェックするポイントは、いずれも「良い会社」になるための大前提である、日々の健全な経営努力と正しい経理処理の積み重ねである一ということがおわかりいただけるでしょう。
つまり、自社の健全な経営努力と正しい経理処理の賜物である決算書こそが、金融機関と話をするための共通言語となるのです。
せっかくの決算書を、ぜひ金融機関とのコミュニケーションに役立てましょう。

試算表を積極的に提供して自社の強み・長所を知ってもらおう

金融機関とのコミュニケーションにおいて、もう1つ重要なのは、その頻度です。「融資のときだけ金融機関に相談している」という方も多いかもしれませんが、金融機関に自社の強みや長所を知ってもらうためにも、積極的、かつ定期的に自社の情報を提供・報告しましょう。自社を客観的な視点で見てくれる金融機関との対話を通じて、事業上のアイデアや気づきが得られることもあるからです。
金融機関への定期的な報告手段としては、試算表が挙げられます。令和5年2月、金融機関を対象に行われたアンケート(実施:㈱TKC、回答金融機関:281)によれば、試算表の提供を希望している金融機関は100%でした。また、その試算表の提供頻度については、「月次」が70%、「四半期ごと」が28%、「半期ごと」が2%と、毎月の試算表提供を望む金融機関が多いことがわかります。
中には、「業績が最近良くないので、あまり金融機関に知られたくない」という方もおられるかもしれません。けれども業績の良し悪しにかかわらず、経営に関するデータを企業自ら開示することは、融資の必要性等をいち早く金融機関に伝えることにもつながります。そのため、まずは四半期から試算表を提供することを目指しましょう。
TKCモニタリング情報サービス(MIS)では、決算書はもちろん、「月次試算表提供サービス」を利用すれば試算表の半期・四半期・月次での提供も簡単に行えます。MISについては、当事務所にご相談ください。

決算書の信頼性をさらに高める!「3つの書類」

金融機関とのコミュニケーションに欠かせない決算書。その決算書の信頼性を高める「3つの書類」をこ存じでしょうか?融資審査の判断材料や、金利優遇条件の1つとするなど、これらの書類を活用した融資商品を取り扱う金融機関も増えています。