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会社の将来を考えるヒント!自社株評価、していますか?

2026年7月20日

売上や利益、会社の資産の保有状況などは日頃からしっかり意識していても、「自社株の評価額」についてきちんと把握している社長は案外少ないかも。特に、「今まで一度も自社株評価をしたことがない」という会社は要注意。自社株評価は、会社の将来にかかわる大事な事柄です。

順調な事業の成長利益の蓄積は「理想の姿」一方で、税務の視点からは注意すべき側面も

日々の経営において、売上や利益、費用、現預金の残高や自己資本の状況など、損益計算書貸借対照表上の数字に目配りしてきた社長さんは多いことでしょう。その結果、事業が順調に成長し、利益が内部留保として蓄積されていくことは、まさに「理想的な会社の姿」といえます。

その一方で、「理想的な会社の姿」は、税務の視点からすると注意すべき側面もあります。それが「自社株の評価額の上昇」です。

中小企業(非上場会社)株式(自社株)は、国税庁が定める一定のルール(財産評価基本通達)に基づいて評価額が決まります。これは単年度の損益だけではなく、創業以来の業績の累計やさまざまな要素を加味して計算することになります。「最近、赤字続きだから」といって、自社の株価が低いとは限らないのです。

一般に、①社歴が長く利益が蓄積されている②会社の業績が良いという会社ほど、自社株の評価額も高くなる傾向があります。また、「含み益」のある土地や有価証券を保有している会社の場合、評価額が思いのほか高くなることがあります。

こうしたことから、実際には、社長がイメージしている株価と税務上の評価額とが大きくかけ離れてしまっているということも珍しくありません。

中には、創業時と比べて、10倍以上の評価額になっているというケースも見られます。

自社株の評価額が高いままだと、どんなリスクが想定される?

自社株の評価額を把握しないままでいると、次のようなリスクが考えられます。

相続発生時、相続税の負担が想定以上に重くなる可能性がある

自社株は、相続が発生した際の相続税の課税価格に含まれます。相続発生時の評価額が創業時よりも大きく上がっている場合、相続税負担が重くなる可能性が生じます。

「贈与」と判定される可能性がある

適切な自社株評価の算定を行わないまま、安価もしくは無償で後継者に自社株を譲渡した場合、税務調査で譲渡価額と評価額との差額が「贈与」と判定されて、多額の贈与税を追徴されるケースがあります。

非上場会社の自社株は流通性がなく、換金しにくいことから、相続などの株式の異動のタイミングで多額の納税資金が必要になってきます。せっかく事業承継したとしても、後継者は大きな負担を負った上で、会社を経営していくことになってしまいます。

「これまでを振り返り、「これから」を考えるきっかけに

一般に、中小企業の株式は市場で売買されることがないため、現在の評価額がいくらになっているのか把握しにくいもの。そのため、意識的かつ定期的に株価の算定を行い、自社株の評価額を「見える化」することが重要です。年に1回、決算終了後に自社株評価の算定を行うことをお勧めします。

その上で、長期的な視点で、「計画的な自社株の贈与」「後継者の納税資金の準備」「役員退職金の準備」「特例事業承継税制の活用」などの対策を検討していくことが重要です。

自社株評価の算定は、「後継者に経営を任せる準備ができているか」「将来の意思決定に支障が出ないか」「自社に本当に必要な資産は何か」など、これまでの経営と、これからの経営のあり方そのものを見直すきっかけにもなります。

また、国税庁は非上場株式の評価方法を見直す準備を始めたとの報道もあります。自社株評価の算定について、一度検討してみましょう。顧問税理士へご相談ください。

Check!自社株評価の算定は必要?

※以下の項目のうち、1つでも✓があれば、自社株評価の算定を検討してみましょう。

□事業承継やM&Aについて考えている
□創業以来、一度も自社株評価の算定を行ったことがない
□自社株評価の算定を会計事務所に依頼したが、5年以上前のことである
□ここ数年業績が好調で、内部留保が厚くなってきている
□「含み益」のある土地や有価証券を会社で保有している
□社長(または会長)が会社の株の大半を保有している
□貸借対照表の「純資産の部」の合計が大きい(例えば、1億円を超えている、資本金の10倍以上である、など)


<参考>「特例承継計画」の提出はお早めに!
一定の要件のもと、非上場株式等に係る贈与税・相続税負担を「実質ゼロ」にする事業承継税制の特例措置「特例事業承継税制」(法人版・個人版)。同税制の適用を受けるためには、「法人版:令和9年9月30日まで」「個人版:令和10年9月30日まで」に「特例承継計画」を都道府県庁に提出し、確認を受ける必要があります。
「特例承継計画」には、後継者の氏名や事業承継の予定時期、承継時までの経営見通しや承継後5年間の事業計画等を記載し、その内容について税理士等をはじめとした「認定経営革新等支援機関」による指導・助言を受ける必要があります。
なお、「特例承継計画」の提出後、計画内容の変更等をすることは認められています(一定の手続きが必要)。同税制の適用を検討している場合には、まずは期限までに「特例承継計画」を忘れずに提出することが重要です。