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2030年代半ばには最低賃金を1500円にするという政府目標が示されました。最低賃金が1500円になると、初任給の最低ラインは183,396円から261,000円に増えます。
人件費の総額(社会保険料、研修費など給与以外を含む)は給与の1.6倍相当額のため人件費は183,396円×1.6=293,434円になります。労働分配率が50%の場合、新人社員一人当たり毎月必要な粗利益額は人件費293,434円÷50%=586,868円ですが、261,000円になると835,200円に増やさなければなりません。あと10年で毎月一人あたり約25万円の粗利UPが必要だと言うことです。
この先どのように一人当たりの粗利を増やし、賃上げするのか、今から長期戦で取り組まなければなりません。10年がかりで大幅な賃上げを考えるとして、目の前の来期はどうするか。
経営者は賃金を上げたら社員は頑張ると誤解します。賃金が1万円増えたからと言って社員は1万円分頑張ろうと思いません。賃上げは過去の頑張りに対して実施されたと考えています。社員が頑張るためには、過去ではなく未来です。どんなふうに頑張って成長すれば評価が上がるのか因果関係を理解してもらうことが大切です。
高度成長期は「頑張れば賃金は上がる」と皆感じることができました。今は不確実性の時代、未来の姿がイメージしづらいのです。目先の賃金以上に社員が未来の姿をイメージできるように賃金のストーリーを示すことが大切です。そのためには、評価の仕組みと賃金の仕組みを構築することにほかなりません。
T&Aも1年をかけて人事制度の構築を6名のプロジェクトで取り組んでいます。皆さまの参考になるような形を目指してまいります。