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「好き嫌い」

2024年3月 4日

経営において事業コンセプトを創造する本質は経営者の直感やセンスとしか言いようがないもの、元をたどればその人の「好き嫌い」に突き当たる。フェイスブックにしてもアマゾンにしても開花した事業コンセプトは理屈抜きの「好き嫌い」と深いところで繋がつている。「良し悪し」の判断を繰り返して生まれたものではない。

一方メディアではすぐに「正しいかどうか」の議論が幅を利かせ、「好き嫌い」は隅に追いやられているようだ。コンプライアンスが..などという話はまさにその典型。インターネットに代表される電子的なコミュニケーションの発達が「良し悪し」優先、「好き嫌い」劣後の傾向に拍車をかけている。自分の個人的な「好き嫌い」の発言であってもそれを受け取る他者が「良し悪し」の基準を持ち出して「間違っている!!!」と批判する。単に「好き嫌い」の違いによることが多いのに、「良し悪し」にすり替えた批判や苦情が不特定多数に拡散し、「炎上」という成り行きになってしまう。

もちろん、良いほうが悪いよりもいいに決まってる。問題は、「良し悪し」の基準で形式的に切ってしまうタイミングが早すぎることにある。「良し悪し」の基準で人間の思考や行動を形式的に切り取ってしまえば話があまりに浅くなる。経営という仕事はその最たるものではないか。当たり前の話だが「好き嫌い」だけでは経営はできない。しかし「好き嫌い」に目を向けなければ経営の本質はつかめない。
(引用:「好き嫌い」と経営楠木建/東洋経済新報社)

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