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能動的に人が動く?「仕掛け」のアイデア

2023年9月27日

人の遊び心を利用して、「つい、したくなる」ように誘う「仕掛学」。大阪大学の松村真宏教授が提唱した新たな学問です。この「仕掛学」を応用することで、人々の行動や社会を「ちょっとよくする」ことができるかもしれないと、注目を集めています。

「自然とつい、したくなる」のが「仕掛け」の極意

「仕掛け」とは「人々が自発的にその行動を選んでしまう」もので、次の3つの要件を全て満たすことが必要とされています。

●公平性(Fairness): 誰も不利益を被らないこと
●誘引性(Attractiveness): 行動が自然と誘われること
●目的の二重性(Dualityof purpose) : 仕掛ける側と仕掛けられる側の目的が異なること

人を欺いたり、人に行動を強制・強要したりするものは「仕掛け」に当てはまりません。また、行動を起こした本人の意図や目的にかかわらす、砧巣としを、別の行動や問題解決につながっている、というのも、「仕掛け」の大きな特徴です。
予約タイマ一つきのホームベーカリーが良い例です。夜寝る前に材料を入れて焼き上がり時間をセットしておくと、翌朝、パンの焼き上がりとともに良い香りが漂います。その香りで目覚める人は多いはす。本来、ホームベーカリーは人を起こすことを目的としていませんが、結果として心地よい目覚めを促すのに役立っている、というわけです。

ちょっとした工夫で「仕掛け」はつくれる!

ホームベーカリーの例に限らす、ちょっとした工夫で「仕掛け」はつくれます。ほんの少し目線を変えて、遊び心を持って「つい、したくなる」仕掛けを考えてみましょう。

斜めの線を引いたファイルボックス
オフィスのファイルボックスに斜めの線を引く。順番通りになっていないと、線がガタガタに。それを見た人はつい並べ替えたくなり、結果として整理整頓が果たされる、という仕掛け。

鏡付きの広告
自分の髪型やメイク、服装など、鏡に映った自分の姿をつい確認したくなる。身だしなみをチェックした結果として、鏡の近くにある広告が自然と目に入る、という仕掛け。