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「限界利益」は、人件費や広告宣伝費などを支払う原資になります。限界利益を増やすことができれば、新しい機械の導入、従業員の給料アップ、販売促進や商品開発の強化などに、より積極的に予算を投じられるようになります。
経営において、売上高と並んで重要な指標となるのが「限界利益」です。限界利益は、売上高に比例して増減する仕入や外注費などの「変動費」を売上高から差し引くことで求められ、人件費など売上高の変化にかかわらず支払いが必要となる「固定費」をまかなう原資となります。
資源高、円安の影響で原材料や燃料等が値上がりしている状況では、企業間競争も激しく、何も手を打たないと限界利益率が低くなる傾向にあります。「昨年より利益が出なくなった」と感じている場合、今一度、自社の限界利益をしっかり確認しましょう。
もし限界利益が減少している場合、あるいは自社の固定費をまかなうのに必要な額が確保できていない場合、次のような要因が考えられます。
●値引きなどによって利益が出なくなった
●物価上昇などで変動費が上がった
●主力商品の競争力低下等で利益率が下がった
そのため、限界利益をアップさせるには
①販売価格を上げる
②変動費を下げる
③商品の組み合わせを考える
一という3つの打ち手が挙げられます。
現在のような物価上昇の時期に、その対応策として販売価格を上げることを取引先に依頼する場合、原価計算が大切になります。原材料費の値上がり幅、光熱費の上がり幅など、具体的な根拠を踏まえて販売価格の交渉に臨み、価格改定への理解を得るようにしましょう。
一方で、変動費を下げる方向で検討をする場合、ロス率に注意を向けてみると新たな気づきを得られることがあります。
1個当たりの仕入単価を下げる目的で大量発注している材料や商品を、本当に全て使い切っているでしょうか?効率化のため一度に大量につくっている製品について、その全部がきちんと売れているでしょうか?
一部でも廃棄していれば、その分実質的に変動費を上昇させていることになります。仕入や製造の個数を変えることで限界利益を改善する余地はありませんか?
前の2つは主に製品単体での改善策でしたが、商品の組み合わせを考,.える方法は、会社全体で見た限界利益率の改善策です。限界利益率の高いものと低いものとが混在している場合、限界利益率の高いものの売上を伸ばすことで、会社全体の限界利益率を高め、効率的に限界利益を確保できます。限界利益への貢献という視点から隠れた稼ぎ頭を探し、売れる製品と売れない製品、売るべき製品とそうでない製品を明確にして、商品の組み合わせを見直してみましょう。
限界利益の増加は、設備投資による効率化、従業員の給与・賞与の増額、販売促進の強化や新商品の開発など、今後の会社の成長につながります。黒字経営のためには、必要となる固定費に目標とする経常利益を加えて、限界利益の目標を設定することが必要です。限界利益アップには、いろいろな角度から取り組めます。図表の内容を参考に、自社の状況にあった打ち手を検討しましょう。
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