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毎月の経営状態を変動損益計算書で「見える化」し、問題点等を把握すれば、心配事が少なくなり、また、問題解決に向けた具体的なアクションにつなげることもできます。今回は、変動損益計算書のうち、社長が最初に意識すべき「売上高」について見てみましょう。(全6回連載)
たとえわずかでも、会社の業績は刻々と変化しています。
「売上高」を変動損益計算書で毎月確認し、「増えた理由」「減った理由」を考えてみましょう。社長のここ1か月の経営感覚と、実際の数字の変化をすり合わせるのです。
このときのポイントは次の3つです。
①当期実績と目標とのズレを確認する
②当月実績と前年同月とのズレを確認する
③時系列で売上高の推移を見る
この視点で、特に自社の取引先別売上高を確認してみてください。
主要な取引先について、それぞれ当月の売上高と前年同月の売上高を比較してみましょう。また、一昨年の同月の売上高とも比較すると、どんな変化が見られるでしょうか?
昨年に比べて大きく取引額を減らしているところや、3年間で自社の売上高に占める割合を大きく伸ばしているところなど、いろいろな気づきが得られるはずです。「なぜ、この取引先からの売上高が上がっている/下がっているのか」、その背景や要因を考えてみましょう。
飲食業や小売・サービス業では、新型コロナウイルス感染症の前と後とでは、売上の上がる曜日や時間帯、来店客数などが影響を受けて変化している場合があります。簡単でも良いので、そうした変化の背景となるような記録を残しておくと、背景や要因を深掘りするのに役立ちます。
取引先の変化や自社を取り巻く環境の変化に気づくことができれば、それが自社の売上高をさらに伸ばしていく大きなヒントになるのです。
基本的に、売上高は販売単価x販売数量で決まります。つまり売上高を増やすには、単価を上げるか、数量を増やすか、そのいずれかが必要です。
単価と数量、どちらを重視するのかを決めるのも大事な経営判断の1つです。図表を参考に、社内でどのような取り組みができるのかを検討し、売上高アップの手がかりを探ってみてください。
どの会社にも、必ず強みにできるものがあります。会社全体で売上高の分析を行い、自社の強みと弱みを見つめ直して、経営に活かしましょう。
<販売単価アップのヒント>
販売単価を上げるには、
①価格そのものを上げる
②値引きを見直す
③無料(単価ゼロ円)の業務やサービスを有料にする
という切り口から挑戦しましょう。
●売れるギリギリの値決めを心がけているか
●顧客に価格以外の商品価値をPRしているか
●価格以外の魅力で当社から買ってもらえる努力をし続けているか
●顧客が他社ではなく、当社の商品を購入してくれる理由を言えるか
●将来の売れ筋商品、新商品を探す取り組みをしているか
●誰が、いくら値引きをすることができるか
のルールが決められているか
●アフターサービスや修理点検などを無料で行っていないか
●出張サービスの交通費や飲食店等におけるお客様の送迎費を無料にしていないか
●振込手数料や商品発送時の荷造運賃・梱包費用などを自社負担にしていないか
など
<販売数量アップのヒント>
販売数量を増やすには、
①顧客そのものを増やす
②顧客1人当たりの購入量を増やす
③リピート回数を増やす
ということを目指しましょう。
●他の地域、他の年齢暦等へ客層を広げることができないか
●顧客リストを作成しているか
●R商品の品揃えを増やしたり、販売後のメンテナンス事業に展開したりできないか
●顧客に定期的に思い出してもらえる仕組みをつくっているか
●品質だけでなく、接客やクレーム対応などの顧客満足にも対応しているか
など
【参考】取引先ことの売上高をつかんでいますか?
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