miyachannel
佐々木監督は大谷翔平選手や菊池雄星選手をはじめ多くのプロ野球選手を輩出しています。その佐々木監督の愛読書が「日経トップリーダー」だというのです。試合で思うように勝てなくなった時に「自分自身が変わらなくては」と思い、野球の雑誌や書籍を全部捨て、経営を学ぶことにしました。
当時は「どうしてうちにはいい選手が来てくれないんだ、なぜオレの熱意を分かってくれないんだ」と不満ばかりでした。経営を学んだことで理由がわかりました。熱意だけではダメで「顧客満足」が必要だと。つまり出口がなければ入口から人は入らない。そもそも野球で一生メシが食べられるのはほんの一握りの人です。野球がうまくなることだけに高校生活を費やすのは無駄。恐ろしいほどの無駄です。筋肉は年を取れば落ちますが、知識や知恵は一生使えます。最初に取り組んだのは企業に求められる人材をつくることでした。
具体的には、目標達成の方法を教えました。一人一人に高いコールを設定させる。そこから逆算し、今日何をすればコールに近づけるかを考えさせるのです。朝8時からの30分間をそれ専用の時間に充てています。昨日の反省点と改善点、今日の目標と決意、やることやらないこと、今日のライバルは誰か、などを一人一人記入します。2021年の春には野球部から東京大学合格者を出しました。開校以来初の合格者です。野球の常識を疑わなければならないと思わせてくれたのは日経トップリーダーです。
先入観に囚われす非常識とも思える発想で新しいものを産み出す企業の事例をたくさん読みました。野球部に入ってきたらひたすら考え方を教えます。失敗に対する考え方、自分を高める考え方などです。親御さんには入学前に「みんなの前で叱ります」と言います。失敗こそ学びの場。自分で失敗したことを活かすだけでは人生が何回あっても足りません。打ち方や投げ方でなくて考え方。数学の公式や英語の文法より考え方。なぜみんなそれを教えないのでしょうか。
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