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【税制改正のポイント】相続・贈与関係等個人向けの改定内容

2023年3月13日

相続時精算課税制度の見直しや暦年課税における相続前贈与の加算期間の見直し等を通じて、資産移転の選択による中立的な税制の構築に具体的な道筋がつけられます。

1.教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置の見直し
令和5年4月1日より、以下の見直しなどが行われ、令和8年3月31日まで延長されます。

➀契約期間中の贈与者の相続発生時において教育資金に充てられなかった部分があるときは、その相続発生時において受贈者が23歳未満であるなど一定の場合であっても、その贈与者の相続税の課税価格の合計額が5億円を超えるときは、その部分が相続税の対象となる見直しが行われます。
②受贈者が30歳に達した時点の教育資金に充てられなかった部分の金額に対して課される贈与税は、一般税率により課される見直しが行われます。
③教育資金の範囲に一定の認可外保育施設に支払われる保育料等が追加されます。
※結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税措謹については、令和7年3月31日まで延長され、一定の事由に該当する場合に課される贈与税について、一般税率が適用される見直しが行われます。


2.相続時精算課税制度の見直し
60歳以上の父母または祖父母(以下、贈与者)などから直系の18歳以上の子や孫などが贈与を受ける財産(以下、受贈財産)について、令和6年1月1日以後から、相続時精算課税制度の選択後も毎年、受贈財産から基礎控除110万円を控除することができるとされ、また、贈与者の死亡により、その贈与者の相続に係る相続税の課税価格に算入される受贈財産の課税価格は、その課税価格から毎年の基礎控除110万円を控除した後の残額とする措置が講じられます。

【課税価格3,500万円の財産の贈与を受け、相続時精算課税制度を選択した場合】
受贈財産の
課税価格
贈与税の課税価格
現行 改正後
X 3,000万円 3,000万円-2,500万円=500万円 3,000万円-110万円=2,890万円
2,890万円-2,500万円=390万円
X+1 300万円 300万円 300万円-110万円=190万円
X+2 200万円 200万円 200万円-110万円=90万円
相続時の加算課税価格 3,500万円 2,890万円+190万円+90万円=3,170万円

3.暦年課税における相続前の加算期間等の見直し
令和6年1月1日以後の贈与から、対象期間が相続開始前7年以内(現行3年以内)まで拡大されるとともに、相続税の課税価格に加算される受贈財産のうち、相続開始4-7年前の期間の受贈財産について、その価額の総額から100万円を控除した残額が加算される措置が講じられます。なお、加算期間の延長は令和9年1月1日から順次行われます。

【相続前贈与の加算期間の例】
相続開始日 加算の対象期間
①令和8年7月1日 令和5年7月1日以降の贈与(=3年間)
②令和10年1月1日 令和6年1月1日以降の贈与(=4年間)
③令和13年7月1日 令和6年7月1日以降の贈与(=7年間)