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【税制改正のポイント】事業者に関する改正内容

2023年3月10日

中小企業者等の法人税率を軽減する特例が令和7年3月31日まで2年延長されるほか、技術革新のための特例措置がそれぞれ見直されます。

1.中小企業技術基盤強化税制の拡充と延長
中小企業者等において、所得の金額の計算上損金の額に算入される一定の試験研究費の額がある場合に利用できる「中小企業技術基盤強化税制」(下記計算式参照)について、適用条件が見直されたうえで、令和8年3月31日まで期限が延長されます。なお、基準年度比売上減少割合が2%以上等の場合の上乗せ特例は適用期限(令和5年3月31日)をもって廃止されます。

適用:令和8年3月31日

【計算式】
税額控除額*=試験研究費の額X(12%+特例上乗せ率)(上限17%)
*控除上限:法人税額の25%(最大10%を上乗せする特例措置あり)



2.オープンイノベーション促進税制の見直し

所得控除の特例措置の対象となる株式に、現在の増資により1千万円以上(中小企業以外については1億円以上)の払い込みにより一定の要件において取得する場合に加えて、特別新事業開拓事業者に出資する者から購入により取得したその特別新事業開拓事業者の株式で一定の要件を満たすものが追加されるなどの改正が行われます。

3.認定先端設備等導入計画に関する固定資産税の減免措置の縮減
導入した先端設備等に対して課される固定資産税を減額する要件についての見直しが行われたうえ、令和7年3月31日までに取得した先端設備等について、固定資産税の課税標準を最初の3年間、2分の1とし、さらに追加要件を満たすことにより、固定資産税の課税標準を3分の1とするなどの特例措置が講じられます。

適用:令和5年4月1日から令和7年3月31日までの間


4.中小企業投資促進税制の見直しと延長
次の見直しが行われるとともに、適用期限が2年延長されます。

➀対象資産から、コインランドリー業(主要な事業であるものを除く)の用に供する機械装置でその管理のおおむね全部を他の者に委託するものが除外されます。
②対象資産について、総トン数500トン以上の船舶にあっては、環境への負荷の低減に資する設備の設置状況等を国土交通大臣に届け出た船舶に限定されます。

適用:令和7年3月31日まで


5.特定経営力向上設備等特別償却・税額控除制度の見直しと延長
青色申告書を提出する中小企業者等が、指定期間内に、中小企業等経営強化法の認定を受けた経営力向上計画に基づき一定の設備を新規取得等して指定事業の用に供した場合、即時償却又は取得価額の10%(資本金3,000万円超1億円以下の法人は7%)の税額控除を選択適用することができる特例措置について、関係法令の改正を前提に、以下の改正を行い、適用期限が令和7年3月31日まで延長されます。

●「一定の設備」から、コインランドリー業または暗号資産マイニング業(主要な事業であるものを除く)の用に供する資産で、その管理のおおむね全部を他の者に委託するものを除外する。

適用:令和7年3月31日まで


6.特定資産を買換えた場合の課税の特例の見直しと延長

次の見直しなどが行われたうえ、適用期限が令和8年3月31日まで延長されます。

➀既成市街地等の内から外への買換えが適用対象から除外されます。
②長期所有の土地、建物等から国内にある土地、建物等への買換えにつ
いて、以下のように見直されます。
●東京都の特別区の区域から一定の地域への本店等の所在地の移転を伴う買換えの課税の繰延べ割合を90%<現行:80%)に引き上げ
●一定の地域から東京都の特別区の区域への本店等の所在地の移転を伴う買換えの課税の繰延べ割合を60%<現行:70%)に引き下げ

適用:令和8年3月31日まで


7.高額、または頻繁な無申告へのペナルティーの強化
各税目について、申告期限後に申告をしたり、税務署から所得金額の決定を受けたりすると、申告等によって納める税金のほかに無申告加算税が課されます。その税率と適用範囲について、令和6年1月1日以後に法定申告期限が到来する国税から、次のとおり見直されます。

(1)期限後申告等による多額な納税額に対する課税の強化
期限後申告等による納付すべき税額が300万円を超える場合、その超える部分に対する割合が30%に引き上げられ、一定の事由によりその部分について軽減又は加重される措置が講じられます。

(2)加重措置の適用範囲の拡大
期限後申告等があった日前5年以内に、同じ税目に対して無申告加算税または重加算税を課された場合などに10%を加重する措置について、下記も加重の対象となります。
●国税についての期限後申告等があった年度の前年度及び前々年度にその国税と同じ税目について無申告加算税等が課されたことがあるとき
●無申告加算税等に係る賦課決定をすべきと認めるとき

適用:(1)(2)とも令和6年1月1日以後に法定申告期限が到来する国税から