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中華料理店コマツを営む小松社長は、巡回監査士の水野さんから赤字を指摘されてしまいました。最近の原材料費・仕入れ価格の上昇が、経営に響いているようです。そこで、小松社長は水野さんと部門別変動損益計算書を活用して黒字化のための方策を考えていくことにしました。
巡回監査士:最近、赤字が続いていますね。できることから一緒に取り組みましょう。
社長:値上げしたくないので、単価が高い主力商品の肉そばの売上を伸ばしたいのですが…
巡回監査士:肉そばの売上はあとどのくらい伸ばせますか?
社長:月平均で800食くらい売れていますので、900食くらいまで伸ばせると思います。
巡回監査士:では、肉そばを月900食販売した場合に黒字になるかどうか見てみましょう。これではまだ赤字のままですね。では、チャーハンはどうでしょうか。
社長:いや、肉そばが一番儲かると思いますよ。
巡回監査士:まあ、そうおっしゃらすに、チャーハンで試算してみましょう。
社長:あれっ!? チャーハンを100食伸ばすと黒字になりましたね。なぜでしょうか?
巡回監査士:チャーハンのほうが1食あたりの限界利益率が高く、限界利益(粗利)が大きいからです。社長の認識と実際の限界利益に差があったようですね。売上が大きい「主力商品」も、限界利益の点から見ると”主力”とは言えない場合もあるのです。
社長:利益率が高く、限界利益(粗利)が大きいからです。社長の認識と実際の限界利益に差があったようですね。
売上が大きい「主力商品」も、限界利益率の点から見ると”主力”とは言えない場合もあるのです。
社長:単価の高い肉そばをたくさん売ったほうが、黒字になると思いこんでいましたが、意外でした。チャーハンをたくさん売ったほうが良いのかな?
巡回監査士:単価にかかわらす、限界利益率の高いチャーハンの販売を一定数量伸ばすことで、赤字を解消することができるということですね。
社長:この計算方法は、通常の決算書とは少し違いますね?
巡回監査士:これは「変動損益計算書」といいます。
すべての費用を売上に伴って増減するか否かによって、変動費と固定費に分けて表示した損益計算書です。
さらに商品別など部門に分解することで、自社の利益構造が明確にわかるようになります。
変動損益計算書とは?
変動損益計算書は、どの商品の売上から伸ばすべきなのか等の判断ができるというメリットがあります。
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