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今年はこれだ!インボイスと電子取引への対応を進めよう!

2023年1月16日

令和5年は2つの制度改正への対応が必要な年です。まず、10月に開始するインボイス制度への対応です。そして、12月末日に宥恕措置が終了する電子取引データの電子保存への完全対応です。今一度、対応すべく内容を確認しましょう。

インボイス制度開始に向けて請求書等の対応は進んでいますか?

インボイス制度開始に向けて、以下の対応が必要です。制度開始までのスケジュールを確認し、対応を進めましょう。

●インポイス制度開始までの対応
(1)適格請求書発行事業者の登録申請
(2)自社発行の請求書等のインボイス対応
(3)取引先からのインボイスヘの対応

(1)適格請求書発行事業者の登録申請

課税事業者で適格請求書発行事業者の登録申請を予定している事業者は、すぐに申請しましょう。制度開始の10月1日から登録事業者になるためには、3月31日までの登録申請が必要です。

●免税事業者はどう対応する?
インボイスは、「適格請求書発行事業者」に登録した課税事業者でなければ発行することができません。免税事業者が「適格請求書発行事業者」に登録すると、事業者免税点制度が使えなくなり、消費税の申告と納税が必要になります。事業の実態とメリット・デメリットを踏まえて検討しましょう。

(2)自社発行の請求書等のインボイス対応

以下のように、自社発行の請求書等をインボイスに対応させる必要があります。
①自社が発行する書類とその様式を確認し、インボイスにする書類を確定します。
②インボイスに記載する取引金額等の表示

(3)取引先からのインボイスヘの対応

取引先から受け取るインボイスについては、特に小規模な事業者からの仕入や外注がある場合は、相手に適格請求書発行事業者への登録の意向や登録状況を確認しましょう。
①取引先が適格請求書発行事業者かどうかを確認します。
②取引先から受け取る書類のどれがインボイスになるかを確認し、事前にその様式を確認します。項目が不足している場合は是正を依頼します。
③受け取ったインボイスをもとに、どのように仕訳を計上するか、またそのタイミングを決定します。
④インボイスの保存方法を決めます。

インボイスヘの対応より大変!?電子取引データの電子保存への完全対応

インボイス制度への対応に追われて、電子取引データの電子保存への完全対応が遅れていないでしょうか。
電子取引とは、取引先との間での取引情報を電子データでやりとりする取引のことをいいます。

例えば、取引先から電子メールで請求書を受け取っている、大手ショッピングサイト(ECサイト)から消耗品の領収書をダウンロードしているなどが電子取引です。令和4年1月1日施行の改正電子帳簿保存法によって、取引先から受け取ったり、取引先に渡したりした電子取引に関する情報(電子取引データ)は、電子データでの保存が義務化されていますが、現在は、宥恕措置として、令和5年12月31日までは紙による保存が認められています。

令和6年1月1日からは、取引先との間で電子取引データでやりとりした領収書等の国税関係書類については、電子データのまま保存しなければ、法人税法や所得税法上の証拠書類として認められないことになります。宥恕措置が終了となる令和5年中に電子取引データの電子保存への完全対応を進める必要があります。
多くの従業員が電子取引にかかわっていると考えられるため、インボイス制度への対応よりも難しくなるでしょう。秋頃までに準備し、秋から年末にかけて運用をテストするつもりで準備を進めましょう。

(1)電子取引の洗い出し

電子取引には、以下のようなものがあります。自社で行われている電子取引を商流に沿ってすべて洗い出し、電子取引データについて、取引先から受け取るもの、自社が発行するものを確認しましょう。
〇電子メールでの請求書や領収書の送受信
〇ショッピングサイトでの物品購入
〇インターネットでの公共料金の請求内容の確認
〇電子決済サービスの利用
〇従業員がネットで購入した旅費(航空券等)の立替払い
〇電子請求書や電子領収書の受領
〇取引情報の複合機での電磁的受領 等々

(2)電子取引データの保存要件

電子取引データの保存には、以下の要件が求められます。保存には、専用のソフトウェアを利用して事務負担の軽減を図りましょう。

●電子取引データの保存要件
・やりとりが実在していること(真実性)
・必要な期間保存されていること(保存期間)
・保存後も探しやすいこと(検索性)
・見やすいこと(可視性)

インボイス制度開始への対応、電子取引データの電子データ保存への完全対応には、TKCのFXクラウドシリーズなどの会計システムの利用を検討しましょう。