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国はインボイスの導入で何を変えたいのか?

2022年11月 2日

インボイスの導入(来年10月)まで1年を切りましたが、準備状況はいかがでしょうか。適格請求書発行事業者への登録や、販売管理システムの改修などの負担や手間がかかります。
それでもインボイス導入が進められるのはなぜでしょうか。
インボイスの導入は軽減税率が導入された際に軽減税率とセットで導入が決まりました。
主な目的は2つです。

1つ目は、軽減税率制度の導入に伴う正確な取引の担保です。
インボイスには、8%・10%どちらの税率を適用するか明確に記載されるため、売手側と買手側の適用税率の認識を一致させることができると言うのが軽減税率とセットで導入する表向きの国の言い訳のような理由です。

2つ目は益税問題の解消です。
消費税の納税額は、課税売上にかかる消費税額から課税仕入等にかかる消費税額を差し引いて計算します(仕入税額控除)。通常、課税仕入等にかかる消費税は、仕入業者へ支払われているため、受け取った仕入業者が負担します。
しかし、仕入業者が免税事業者の場合、消費税の納税義務がないため、この消費税は仕入業者の手元に残ります。
これが「益税」の構造です。
今後、仕入税額控除にインボイスが必要となり、仕入業者も課税事業者になることで、取引にかかる消費税が包括的に納税される仕組みとなります。

要は、免税事業者に払った消費税が国に入らないのは面白くないと言う事です。それであれば免税事業者の制度を廃止すればわかりやすいのですが、それでは増税反対論がでるのでインボイス制度の中に増税を紛れ込ませた、とも言えます。軽減税率の導入で当初想定していた税収が1兆円ほど減収しました。その穴埋めとして国はインボイス制度で2千億円ほどの増収を見込んでいます。増税政策なので誰かの税負担が増えることは間違いありません。制度の背景に目を向けて対応を考える必要があります。
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