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電子取引データで電子データを保存するには、法令に定められた要件を満たす必要があります。法令遵守と効率化の観点から、今後の経理のデジタル化を見据えた準備を進めましょう。そこでは、専用の電子取引データの保存システムの利用を検討する必要があります。
令和6年1月1日から、電子取引データの電子データによる保存(以下、電子取引データの保存)について、2年間の宥恕措置が終了し、完全義務化されます。電子取引データの保存には、改ざん防止のための措置(真実性)や可視性・検索性などの要件を満たす必要があります。
<電子取引データの主な保存要件>
1. 改ざん防止のための措置(真実性) |
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以下のいすれかを満たすこと ①タイムスタンプが付されたデータを受け取る、または自社が速やかにデータにタイムスタンプを付す。 ②訂正削除履歴が残るシステム等を利用する。 ③改ざん防止の事務処理規程を制定し遵守する。 |
2. 可視性・検索性 |
以下のすべてを満たすこと ①モニター操作説明書等の備え付け。 ②日付、金額、取引先名で検索できるようにする。 |
3. 保存期間 |
法人: 7年(繰越欠損金がある場合はlO年) 個人事業者: 5年 |
電子取引データの保存には、専用の保存システムを「利用する」、または「利用しない」という方法があります。
改ざん防止のための措置や可視性・検索性、保存期間という法令の要件を満たすには、専用の保存システムを利用するほうが経理業務の負担軽減やデジタル化を進める上でも、メリットが大きいといえるでしょう。
専用の保存システムを利用しない場合は、電子取引の増加とともに、業務が煩雑になる上、電子取引データの保存期間中に記憶媒体を紛失するなどのリスクが大きくなります。
電子帳簿保存法は、これからのデジタル化社会における帳簿や証悪書類の電子データ保存のルールを明確に定めたものです。永続的な電子帳簿保存への対応という意味でも、専用の保存システムを利用するほうがよいでしょう。
現状、紙のやり取りが多い企業では、電子取引データと紙の文書の保存について、社内のルールを見直す必要があるでしょう。
今後、さまざまなものがデジタル化する社会を考えれば、単に電子取引データの保存というだけでなく、経理業務そのものが大きく変わる可能性があることを考慮しましょう。
例えば、取引先がペーパレス化・デジタル化対応を積極的に進めている場合、従来の紙による請求書等の発行に代えて、電子請求書等の発行が求められることもあります。
また、令和5年10 月から消費税インボイス制度が始まると、自社が適格請求書発行事業者であれば、発行するインボイスについて紙から電子インボイスヘの変更をはじめ、請求書等の発行方法について、取引先から見直しが求められる可能性があります。
請求書等の受け渡しを紙で行っている取引については、そのまま紙として保存すればよいのですが、スキャナ保存を選択して、電子データとして保存することも可能です。
電子帳簿保存法の改正により、スキャナ保存の手続きが大幅に緩和されたことで、以前よりも導入しやすくなっています。
<緩和されたスキャナ保存の主な手続き>
①事前の税務署への承認申請が廃止
②原本とスキャナ画像との同一性チェックの廃止
③タイプスタンプの付与期間を最長2か月と概ね7営業日以内に統一
紙で受け取った証憑書類をスキャナ保存することで、ペーパレス化・デジタル化を図り、経理業務の効率化をさらに進めることも可能になります。
例えば、営業担当者が取引先から受け取った領収書や請求書をスマートフォンで適切に撮影した画像を経理へ提出することで、紙原本を廃棄すること等が可能となります(現状、消費税法では紙の保存が必要です)。
出張やテレワークが多い場合などにも柔軟に対応できるでしょう。
<専用の保存システムを利用する場合の例>
例えば、TKC自計化システムには、電子取引データを保存する「証憑保存機能」が搭載されています。当該機能であれば電子帳簿保存法の保存要件に完全準拠した保存が可能です。
OCR機能を使って証憑内容を読み取ってテキスト化することで、保存要件確保のための入力作業が軽減されます。取引先名は、読み取った電話番号をもとに、TKC独自のデータベースを活用し、該当する取引先の候補を表示することもできます。
会計事務所においても仕訳とともに証憑をすぐに確認できるようになるため、遠隔での情報共有や経理処理の相談等が可能になります。
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