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電子取引データには、電子メールに添付された請求書等のデータ(PDFファイル等)の他にもさまざまなものがあります。これらを、もれなく収集し、保存するには、社内の業務フローの整備が必要となります。まずは電子取引データを洗い出しましょう。
電子取引データは電子メールに添付された請求書等だけではありません。ネット通販サイトからダウンロードやスクリーンショットした請求書・領収書、クレジットカードの利用明細データ、交通系ICカードの支払データ、ペーパーレス機能のあるファクス複合機でのデータの受信などさまざまです。
「電子取引などは行っていない」と決めてかからずに、まずは自社で行われている電子取引を洗い出しましょう。
それには、税法上保存すべき紙の書類と電子取引データ(以下、書類等)のすべてを把握することが必要です。書類等の実態を調査するには、以下のように、取引先ごとに書類等をリストアップしましょう。
①取引先(どこから、またはどこへ)
②書類等の種類(請求書、領収書等)
③受取部門・担当(保管部門・担当)
④書類等の受取方法(PDFや紙等)
⑤書類等の枚数(l月当たりの保存容量や作業量の見積り)
書類等のリストアップは、「見積→受注→出荷指示→売上」「契約発注→入荷・仕入→支払」など自社の商流に合わせて、書類等は「自社が発行した書類等」「自社が受け取った書類等」に分けて、確認しましょう。
書類等の実態調査の対象は経理部門だけではなく、全部門、全役員・従業員を対象とします。例えば、書類等の受け取りには、役員や従業員による立替払いの経費精算なども含まれるため、電子取引データについては、次の点を注意しましょう。
役員や従業員が個人のメールアドレスを利用して飛行機や新幹線のチケットをホームページ上で購入している場合、個人のメールアドレスからパスワードを入力してログインしないと請求書や領収書がダウンロードできないケースがあります。このようなケースでは、各人から電子データの形式で提出させる業務フローに見直す必要があります。
電子メールでの請求書データにパスワードがかかっている場合には、パスワードを解除して保存するか、パスワードのデータも一緒に保存するなど、閲覧可能な状態で保存する必要があります。
また、電子メールに添付されたURLから請求書等を受け取る場合は、ダウンロードの有効期限にも注意しましょう。
担当者同士が個人のLINEやチャットを使って、電子取引データをやり取りしている場合は、ダウンロードしたメッセージ履歴(ログ)、添付ファイルなどの電子取引データを担当者から提出してもらいます。
履歴のダウンロード等ができない場合があるため、各ツールの仕様を確認します。
個人のLINEやチャット、メールアドレス等を利用した電子取引は、不正や誤謬等の発生リスクが高くなります。この機会に、内部牽制を踏まえた社内規程の整備等についても合わせて検討しましょう。
電子取引データの電子データ保存は、自社が発行する請求書や領収書等の控えなども保存対象です。その代表例は、取引先に電子メールで請求書等を送付している場合です。
自社が発行した電子取引データについては、電子データによる保存のルールを検討しておきましょう。
なお、取引先での電子取引データの保存体制の整備状況も関係するため、あらかじめ取引先との間で、電子取引データの受け渡しについて、調整しておく必要があります。
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