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長引くコロナ禍において、売上減少や借入の増大に直面する中小企業に対して、経済産業省が金融庁、財務省と述携し、資金繰り支援の継続や収益力改善、事業再生、再チャレンジを促すための総合的な支援策「中小企業活性化パッケージ」を打ち出しました。
「中小企業活性化パッケージ」には、「コロナ資金繰り支援の継続」「収益力改善・事業再生・再チャレンジの総合的支援」の二つの支援があります。収益力改善等の総合的支援では、コロナ禍で債務の増加に苦しむ中小企業に対して、
①収益力改善
②事業再生
③再チャレンジ
というフェーズに合わせて、認定経営革新等支援機関(以下、認定支援機関)や中小企業活性化協議会が、計画策定やその後のモニタリングなどの支援を行います。
※収益力改善等の総合的支援の主なポイントを解説します。
「早期経営改善計画策定支援」(ポスコロ事業)は、資金繰り管理、経営状況の把握など基本的な経営改善に取り組む中小企業が、認定支援機関から、経営改善計画の策定やその後のフォローアップなどの支援を受けて、早期に経営改善を図るためものです。
この制度が以下のように見直されました。
令和4年度は、コロナ、ウクライナ情勢、原油価格高騰等に起因した影響を受けている事業者であれば、過去にポスコロや後述する405事業を利用していても、2回までの利用が可能になりました。また、計画策定支援に加え、計画実行状況のフォローアップや助言等の伴走支援が強化されます。これに伴い、計画策定費用の補助は、伴走支援を実施した場合に限り、計画策定費用とフォローアップ費用の2/3を補助する仕組みへと変更になりました。また、新たに、経営者保証の解除に向けた計画策定が支援対象に加わりました。
本事業は、借入金の返済負担等、財務上の問題を抱え、リスケや新規融資等の金融支援を伴う本格的な経営改善に取り組む中小企業に対して、認定支援機関が計画策定やモニタリングなどの支援を行うものです。令和4年度から従来の制度に加え、経営者保証解除を目指した計画の策定と金融機関との交渉費用が支援の対象に追加されました。
また、新たに、事業再生等のための私的整理に取り組むための計画策定が支援の対象になりました。
中小企業活性化協議会等から支援を受けて事業再生に取り組む事業者(再生事業者)の収益力改善のため、「事業再構築補助金」に、通常枠よりも補助率を3/4(中堅企業は2/3) に引き上げた「回復・再生応援枠」が創設されます。「ものづくり補助金」についても、再生事業者の補助率の2/3への引き上げや審査時の加点が行われます。
独立行政法人中小企業基盤整備機構が最大8割出資し、債務超過に陥った企業の既存債務の買取や専門家派遣なとての再生支援を行う再生ファンドにおいては、新型コロナの影響が大きい宿泊・飲食業などを重点支援するファンドの組成が行われます。
新たに「中小企業の事業再生等に関するガイドライン」(中小版GL)に基づく私的整理を支援する制度が創設されました。
廃業時の経営者の個人破産回避に向け、「経営者保証ガイドライン」に基づく保証債務整理の申し出を受けた場合には、金融機関が誠実に対応する、との考え方を明確化しました。また、経営者の再チャレンジを支援するため、中小企業基盤整備機構が実施する人材支援事業の対象が、廃業後の経営者にまで拡大されました。さらに、再チャレンジを目指す経営者には、専門家による経営相談などの支援が行われます。
民間プレーヤーを活用した支援 | 中小企業活性化協議会による支援 | |
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収益力改善フェーズ |
早期経営改善計画策定支援 |
収益力改善支援 |
再生フェーズ |
経営改善計画策定支援 |
プレ再生支援 再生支援
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再チャレンジフェーズ | 再チャレンジ支援 事業継続が困難な中小企業、保証債務に悩む経営者等が対象。 円滑な廃業経営者等の再スタートに向け、中小版GLや経営者保証ガイドライン等を活用し、弁護士等の外部専門家をサポート。 |
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