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おさえておきたい!新たな経済対策

2022年2月21日

政府の新たな経済対策(令和3年11月19日I闊議決定)では、新型コロナウイルスで減収となった事業者向けの支援金や実質無利子・無担保融資の延長、認定支援機関による経営改善計画の策定・実行支援などが盛り込まれました。自社に関係するものは何か、まずは内容を確認しましょう。

主なポイント
●事業復活支援金制度(仮称)の創設
●実質無利子・無担保融資の延長
●雇用調整助成金(特例措置)の延長
●「デジタル田園都市国家」の構築
●認定支援機関の活用

「事業復活支援金制度」(仮称)の創設売上高減少幅に応じて最大250万円を給付

今回、打ち出された経済対策の中で事業者に大きく関係するのが「事業復活支援金制度」(仮称)の創設です。
同制度は、新型コロナの影響で売上が減少した法人・個人事業者(フリーランスを含む)を対象に、売上高の減少幅に応じて、最大250万円の支援金を給付するものです。給付額は、令和3年11月~同4年3月のいずれかの月の売上高減少率に応じて、5か月分(11月~3月)の売上高減少額を基準に算定されます。

なお、申請方法については、電子申請が原則となっています。これまでの飲食店向けの時短協力金や月次支援金と同様に、会計事務所や金融機関等による事前確認が必要となります。

実質無利子・無担保融資の延長
申請期限が「令和4年3月末まで」に

これまで講じられてきた政府系金融機関(日本政策金融公庫等)による実質無利子・無担保融資の申請期限は「令和3年12月末まで」
でしたが、それが「令和4年3月末まで」に延長されました。
現在、日本政策金融公庫で複数の実質無利子・無担保融資を受けている企業については、必要に応じて、自社の借入が一本化の対象となるかどうかを日本政策金融公庫に確認しましょう。なお、この場合、日本政策金融公庫の借入のみが一本化の対象です。
他方、日本政策金融公庫の「新型コロナ特別貸付」は、事業者のニーズに合わせて令和4年4月以降も継続される予定です。

政府系金融機関による実質無利子・無担保融資の概要(対象・要件等)
新型コロナの影響で最近1か月間の売上高または過去6か月の平均売上高が前3年のいすれかの年の同期と比較して、一定程度減少した中小企業等は、利子補給を通じて当初3年間、実質無利子・無担保融資。(実質無利子上限額)

●日本政策金融公庫/(中小事業)3億円、(国民生活事業)6,000万円
●商工中金/3億円

(特別利子補給制度売上要件)
●小規模企業者:個人▲5%、法人▲15%
●その他:▲20%

(貸付期間)
設備資金20年以内、運転資金15年以内
(据置期間は最大5年)

雇用調整助成金(特例措置)の延長
申請期限が「令和4年3月末まで」に

雇用調整助成金の特例措置は、新型コロナの影響で休業した企業に対して、労働者へ支払う休業手当の一部を助成するものです。申請期限は「令和3年12月末まで」となっていましたが、「令和4年3月末まで」に延長されました。
なお、業況特例(売上高等が30%以上減少)、地域特例(都道府県知事の時短要請等に協力)については、現行の助成率・日額上限の特例措置を継続し、その他については、日額上限が段階的に見直されます。

「デジタル田園都市国家」の構築
事業再構築•生産性向上で地方活性化

前述した以外にも、次のような経済対策が打ち出されています

(1)「デジタル田園都市国家」の構築
地方都市のデジタルインフラ整備を急速に進め、農林水産業、観光業等の活性化や中小企業の事業再構築•生産性向上を図り、地方の活性化を目指すものです。

(2)中小企業等の足腰強化と事業環境整備
中小企業等のグリーン・デジタル分野を含めた成長を後押しすることなどを見据え、新分野展開、業態転換などの事業再構築の取り組みや生産性向上のための設備投資、IT導入、販路開拓等を支援する方針です。

認定支援機関の活用
経営改善計画の策定・実行を支援

新たな経済対策では、税理士等の認定支援機関(認定経営革新等支援機関)による経営改善計画の策定・実行の支援が盛り込まれました。これは、現行の「経営改善計画策定支援事業」(405事業)、「ポストコロナ持続的発展計画事業」(ポスコロ)を強く後押しするものといえます。
「405事業」「ポスコロ」とは、経営改善に取り組む中小企業者が、税理士等の認定支援機関の支援を受けて経営改善計画の策定等をする際に、その費用の一部を補助するものです。この制度を活用する場合は、当事務所にご相談ください。