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渋沢栄一の人を見る目~「視・観・察」で見抜く~

2021年1月28日

2024年発行予定の新1万円札の顔になる渋沢栄一は、明治から大正にかけて500社にも及ぶ企業の設立に携わり、その多くが日本経済を支える企業となりました。こうした功績の背景には、渋沢栄一の「人を見る目」が深く関係しています。

「公益の追求」のためのフオロー役に徹した
渋沢栄ーは、第一国立銀行(現在のみすほ銀行)や東京株式取引所(現在の東京証券取引所)をはじめとする多種多様な企業の設立や社会公共事業に尽力するなど、近代日本の礎を築きました。渋沢が事業を展開する最大の目的は、日本全体を良くしたいという「公益の追求」にありました。しかし一人の力でできることは限られます。そこで渋沢は、経営そのものは信頼できる人間に任せ、自らは発起人や調整役に徹することで、広範な事業領域に携わることができました。そんな渋沢が人を見極める時の基になったのが「論語」です。

「視・観・察」で真の人間性を見抜く
渋沢は、人を外見だけで判断するのではなく、「論語」の一説に述べられている「視・観・察」をよりどころとして、その人の「真の人間性」を見抜くことが重要であると考えました。

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どんなに素晴らしい行動や言動をしている人物だとしても、その動機目的を把握し、さらに真に求めていることまでを見極めなければ、信頼できるかどうかはわからないと渋沢は考え、それを実践したのです。この渋沢栄一の「人を見る目」は、多くの人材の登用•発掘に活かされ、日本の近代化につながったといえるでしょう。