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急激な環境変化のなかで、自社のできることを探そう

2021年1月18日

新型コロナウイルス感染症の拡大は、企業を取り巻く経営環培を一変させました。しかし、そのようななかにあっても、企業は売上回復を図り、事業を継続していかなければなりません。事業の立て直しには、経営計画が童要ですが、その作成前に、変化した経営現境を正しく認識し、そこで活かせる自社の強みを再発見するとともに、今、自社ができることを探してみましょう。

経営環境の変化とその影響を考えてみよう
新型コロナによる経営環境の変化には、次のようなことが考えられます。

新型コロナがもたらした経営環境の変化の例
・コロナ禍以前の売上には当面戻らない
・衛生面への意識が高まる
・非対面・非接触型への移行が進む
・ソーシャルディスタンスを確保する
・デジタル化が急速に進む
・リモートによる新たな働き方が生まれる
・インバウンド消費が貝込めない
・自粛や抵抗感から人の移動に制限がかかる
・店舗や室内型事業は、客席数が減少する
• 新型コロナによって、新たなビジネスモデルやビジネスチャンスが生まれる

自社の「強み」を再発見しよう
経営環境の変化を認識したら、経営方針や対応策を検討する必要がありますが、その際、SWOT分析という手法が役に立ちます。SWOT分析は、経営環境を、自社の努力では変えることができない外部環境(機会・脅威)と、自社の努力で変えることができる内部環境(強み・弱み)とに分けて可視化することで、経営方針を決めるための検討材料を洗い出す手法です。
まず、「機会→脅威」の順に外部環境を洗い出し、次に自社の「強み→弱み」の順に内部環境を洗い出します。同じ外部環境要因であっても、企業によっては、それが機会となる場合もあれば、反対に脅威となる場合もあります。
例えば、「衛生面への意識が高まる」という要因の場合、衛生管理が行き届いた企業にとっては機会であり、そうでない企業にとっては脅威となるでしょう。自社の強み、弱みによって、機会や脅威も変わります。機会を活かせる自社の強みを考えてみましょう。
新型コロナによる環境変化は、過去の成功体験や強みを弱みに変えてしまっていたり、強みをより強くさせているかもしれません。今一度、自社の内部環境を見直すことで、他社よりも優位な強みや自社の特長を再発見してみましょう。
また、機会としては、市場・消費の動向、商品、製品の需要などの変化やデジタル化の進展などによって、新たな市場や価値観が生まれており、そこに新たなビジネスチャンスの可能性があるはずです。

顧客の声を聴いてみよう
強みや弱みを自己分析するだけでなく、アンケートやSNS、モニターの活用などによって顧客の声も聴いてみましょう。コロナ禍において、顧客の心理や行動にも変化があるはずです。不満や厳しい意見を聞かされるなど、自己分析とは異なる結果が期待できるため、顧客の声をヒントに、顧客満足度の向上や、新しい製品・サービスの開発につなげていきましょう。

「機会」と「強み」を活かした戦略を考えよう
機会、脅威、強み、弱みの現状分析で終わらせるのではなく、追い風やチャンスである機会に対して、自社の強みを活かした、今できることを探すことで、今後の戦略を考えるヒントになります

じっとして嵐が過ぎ去るのを待っているだけでは、状況はますます悪くなります。今できることから一歩を踏み出しましょう。

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<事例>
(1)カーテン販売A社
〈A社にとっての機会と脅威〉
●間仕切り用としての需要がある。
●「お家時間」が増えたことで、インテリアヘの関心が高まる。
●Web会議時の背景としてのカーテン需要がある。
●ネット販売で売上を伸ばす同業社がある。

〈強みを活かした戦略〉
「新たに飛沫防止が可能な間仕切り用レースカーテンの販売」と、「自宅に居ながらカーテンを選べるサイトを作成」し、ネット販売による売上を伸ばす。

(2)大衆食堂B社
〈B社にとっての機会と脅威〉
●テイクアウトでも美味しいものが食べたいというニーズがある。
●同業他社もテイクアウトに参入している。

〈強みを活かした戦略〉
「美味しいお米を使った炊き立てこ飯の提供(総菜とは別の容器)」「焼き立ての魚」を使ったテイクアウト弁当によって、冷たいこ飯と揚げ物が多い他店との差別化を図る。