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「まず基礎を固めよ」と説いた"近代日本医学の父"北里柴三郎

2020年3月24日

カテゴリ: コラム

2024(令和6)年に新紙幣が発行されます。新1,000円札の肖像画には、医学者・細菌学者の北里柴三郎(1853年-1931年)が選ばれました。破傷風やペストの研究に取り組み、また慶応義塾大学医学部の創設等にも尽力した同氏の生き方からは、多くの教育を得ることができます。

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人類が恐れていた破傷風を激減させた
破傷風がどのような病気かご存知でしょうか。現在では、感染する人は少なく、治療法も確立されていますが、かつては発症すると致命率60~90%といわれるほどの恐ろしい病気でした。
当時、破傷風は細菌由来の病気であることはわかっていたものの、その原因菌を科学的に特定することは不可能だとされていました。
しかし北里は、培養装置などの器具がない中で独自の発想で開発し、不可能を可能にしたのです。基礎研究で大きな成果を挙げた北里でしたが、実学の人でもあり、次のような信念がありました。

「研究だけをやっていたのではダメだ。それをどうやって世の中に役立てるかを考えよ」

この信念に基づいて、ただちに治療法の開発に取り込んだ結果、血清療法という予防にも有効な手法を確立しました。多くの命を救うのみならず、現代にも続く大きな功績を残しました。

輝かしい偉業の裏には、地道に固めてきた基礎があった
血清療法はジフテリアなど他の病気に対しても有効でした。現在も使用されている破傷風やジフテリアのワクチンも、血清療法をもとに開発されたものです。
数百年間、大量の死者を出し続けていたペストの原因菌を発見し、その防御の道筋をつけたのも北里でした。
また、慶応義塾大学医学部の創設、日本医師会の創設などの社会貢献に尽力するなど数々の偉業を成し遂げた北里ですが、その原点には基礎をおろそかにしないという姿勢がありました。次世代を担う研究者や弟子たちにも、基礎に立ち返る重要性を説き続けたといいます。

「偉業を成そうと思うなら、その基礎をしっかり固めなさい。基礎とは生涯を通じての勉強です。」