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重点とする商品・サービスと営業地域が決まれば、次はどのような営業活動を行うかが重要になります。営業活動にはいくつか方法があり、業種によっても異なります。自社にとって効果的な営業方法を採らなければなりません。
【弱者の戦略9】弱者は、新規顧客の開拓に力を入れよ
新規顧客をつくるには「見込客を見つける」必要があり、それには営業マンによる訪問、インターネットやダイレクトメール(DM)など様々な方法があります。「1位づくり」という目標達成のために、効果的な営業方法が実践されているか点検してみましょう。
(1)営業訪問
取引や人間関係がまったくない会社に意気揚々と飛び込んでも、そっけない対応や無下に断られることがほとんどでしょう。
しかし、将来1位を目指す重点地域に多数の顧客をつくって、地域の占有率を高めるには、営業訪問による新規顧客は重要です。
【事例】初訪問は情報収集に徹する
ある営業マンは、見込客への初回と2回目の訪問では、「売り」については一切口にせず、顧客の情報収集と人間関係づくりに力を入れることで、新規顧客をしています。
(2)ホームページの活用
HPは新規顧客をつくる有力なツールですが、HPが当たり前の時代となっては、逆に競争相手の数を飛躍的に増やす要因になっています。HPを活用する場合は、目的が新規顧客の開拓なのか、会社案内(人材募集)なのかをハッキリさせる必要があります。まずは、自社のHPを点検してみましょう。
自社HPの点検ポイント
- HPの目的(営業・販売促進)がはっきりしているか?
- PRすべき顧客(法人、個人、年齢層など)の中心層を明確にしているか?
- 主力商品や売り込む商品が、見込客から見て、価格や量などが「買いやすい商品」になっているか?
- 自社商品の説明が「誰が顧客なのか」「顧客の困りごとは何か」をはっきりさせ、その解決に「この商品が役立ちます」という流れになっているか?
(3)ダイレクトメール
ダイレクトメールの点検ポイントは、上記のHPとほぼ同じですが、特に④が重要です。
(4)広告
限りある広告誌面では商品のアピールは難しいため、「新規顧客づくり」に的を絞ります。
例えば、2段階の方法によって新規顧客づくりを実践している企業があります。
- 「〇〇でお困りの方に朗報!お問い合わせいただいた方には詳しい資料を無料発送」と大きく打ち出す
- 反応があった顧客に、商品カタログの送付や電話などで営業を行う。
(5)看板やチラシなど
店舗立地などの競争条件が不利な小売業、飲食業、サービス業では、看板やチラシなどによる集客が欠かせません。
①看板
看板の内容や設置に工夫が必要です。
看板に、会社名や商店名を大きく表示するよりも、商品の特徴を大きく表現したほうが、顧客の関心を引きます。
また、ある住宅リフォーム会社は、その地域の人しか通らない道路に、小型の看板を何枚も出すことで効果を上げています。
②チラシ
折込チラシの場合、マンションや住宅販売の大きなカラーのチラシが何枚も一緒に入ると、注目度が低くなります。これを逆手にとって、あえて手書きで表現したり、社長の顔写真やイラストを大きく掲載したりして差別化を図っている企業もあります。
③ポスティング
ポスティングは、新聞の折込チラシと比べると配布量は少なくなりますが、重点地域に限定して配布すると効率が良くなります。
【弱者の戦略10】弱者は、積極的な顧客対応を欠かすな
競争条件の不利な会社が、1位の商品や地域をつくるには、競争相手よりも「顧客から好かれ、気に入られ、忘れられない」ことが必要です。それには、積極的な顧客対応が欠かせません。
(1)販売効率を高める
商品を「製造会社から卸会社へ」「卸会社から小売店へ」販売する業種では、取引高が多い会社への訪問を増やすことで、販売効率が高まります。
営業マンによっては、取引高が低い会社にも同じ回数を訪問したり、行きやすい顧客ばかり訪問したりすることがあります。対策として、社長が営業方針を示しましょう。
(2)店舗の集客力
小売業や飲食業など店舗中心の「来店型」の業態では、大手チェーンなどと比較して立地などの競争条件が不利な場合が多く、来店客数にも影響します。
来店客へのアンケートやスタンプカードなどをもとに顧客リストを作成し、1年に4~6回、簡単なメッセージを書いたハガキを送っている企業もあります。この方法には、顧客から忘れられない効果があります。
業種によって営業活動に違いはありますが、1つの方法だけでなく、ここで紹介した内容を参考に最低3つは実行してみましょう。
【事例】顧客に関心を持とう!
「人は、自分に関心を示す人を好きになる」という対人関係の法則があり、顧客に好かれるには、まず顧客に関心を示さなければなりません。それには、営業の相手である社長や決定権者が、今、特に力を入れている仕事を聞き出し、話題にすることです。
A社長は、新聞や雑誌等で得意先の社長が関心を持っている仕事の関連記事を見つけると、すぐに、「すでにご覧になったかと思いますが、念のために」と書いて記事をFAXしています。また、得意先が新聞・雑誌やテレビで取り上げられると、「〇〇を見ました」と内容の感想を添えてメールを送っています。これだけでも、相手は常に自社へ関心を持ってくれるといいます。
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