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税率10%への引上げで納税額は25%増加します!

2019年10月14日

カテゴリ: 税務

消費税率10%への引上げは、軽減税率の導入も相まって、事業者の大判は消費税の納税額が増加することになります。消費税の納税準備をしておきましょう。

予定納税額より増額する確定納税に注意
消費税率(標準税率)の10%への引上げにより税率は1.25倍になりますが、軽減税率の導入に伴い、例えば外食業では、原材料(飲食料品)の仕入に係る税率が8%になり、提供する料理の売上に係る税率が10%になるため、消費税率引上げ後、消費税の納税額が予想以上に増大する可能性があります。
事業年度終了後の納税段階において、予想以上の納税額に慌てることのないよう注意しましょう。
図表の「確定納税額」に注目してください。1と2のケースでは、引上げ後の確定納税額が予定納税額より大きくなっています。
これは、消費税率引上げ直後の事業年度において、予定納税額が税率8%時の消費税額を基準として算出されているため、税率10%時に計算された確定分との差額のしわ寄せが納税段階において生じるためです。
引上げ直後の事業年度では、このような現象が生じることがあるため注意が必要です。

<参考>
建築業などでは納税額の一時的な上昇に注意!
消費税率引上げと直接関係はありませんが、建築業では、一つの工事について原価である未成工事支出金に係る消費税額の大半が前期以前に仕入税額控除され、当期に完成工事売上に係る消費税額が納税額に反映される計算となる場合があります。この場合、一時的な納税額の上昇を招く要因となるため注意が必要です。

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納税資金の確保策を検討しよう
納税資金の増加については、次のような対策を検討しましょう。

(1)月次決算において納税する消費税額の推移を確認する
①税抜経理を採用している場合
仮受消費税勘定と仮払消費税勘定を毎月相殺して、未払消費税勘定を計上するなど、納税額の推移を概算額で確認しましょう。

②税込経理を採用している場合
販売費及び一般管理費の部に消費税等の勘定を作成し、毎月、別途計算した概算の納税額を以下の会計仕訳で計上しましょう。

(借方)消費税×/(貸方)未払消費税等×

このように把握した毎月の発生額を納税準備用の口座に振り替えて納税に備えましょう。

(2)予定納税の時期を管理する
消費税の予定納税の頻度は、前期に確定した消費納税に応じて「年11回」「年3回」「年1回」になります。事業年度のはじめに自社の予定納税時期と納税額を把握し、資金繰り表において、資金繰り項目として明確に認識しておきましょう。

(3)仮決算による中間申告を選択する
例えば、売上が急激に減少し、予定納税の納税資金が不足するようなケースでは、一定の期限内に仮決算による中間申告を行うことで、予定納税額を減額できる場合があります。

(4)営業キャッシュ・フローを黒字化する
営業キャッシュ・フローは「税引前利益+減価償却費―運転資金」で求められます。
営業キャッシュ・フローから借入金返済額等を控除した残額が未払消費税額等を上回っていることが、当期に創出された資金で消費税等の納税を賄うことができる指標になります。
利益率の向上、固定費の削減等によって、営業キャッシュ・フローの源泉となる税引前利益の増加に努めます。運転資金は「売掛債権+棚卸資産―買掛債務」であるため、売掛債権回転日数の短縮や在庫の圧縮によって、運転資金の削減を検討しましょう。
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