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小さな会社の「必勝の経営術」④(全8回)

2019年8月26日

カテゴリ: 経営

経営の差別化に力を入れよ!
前月号から引き続き、競争条件の不利な会社が実行すべき「弱者の戦略」を説明します。
今月号では、大企業とは異なる中小企業の差別化戦略について解説します。

大企業とは異なる中小企業の差別化
先月号では、中小企業は「小規模1位」「部分1位」を目標にすることを説明しました。
ところが、どの業界にも多数の競争相手がおり、中には大きくて強い会社が何社もあります。ランチェスター法則により「会社と会社の真の力関係は経営力の2乗に比例する」ため、仮に競争相手と自社の力関係が3対1であれば、本当の力関係は9対1になります。
規模の小さな会社は、大きな企業と同じような商品・サービス、営業方法では太刀打ちできません。中小企業は、大企業とは異なった考え方による差別化が必要です。

<弱者の戦略③>弱者は、強い会社とは異なった経営の差別化に力を入れよ
(1)差別化すべき対象を明確にする
経営の差別化には、まず、経営の構成要素(商品、地域、業界と客層、営業、顧客維持、組織、資金と経費など)のどれを差別化するかを明確にします。

(2)どのように差別化するか?
差別化には、例えば「強い会社とは異なる商品を作る」「強い会社が力を入れていない地域や業界に力を入れる」「強い会社とは異なる営業をする」などが考えられます。
そして、差別化の対象について「目的→目標→戦略→戦術」という実行の手順を長期計画で取り組むことになります。
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①弱者の戦略ルール
まずは、弱者の戦略ルールに従って目標を定めます。とりわけ「ランチェスターの第1法則(接近戦・一騎打ち戦)」を重視します。
そのためには、目標を重要なもの一つに絞るとともに、その範囲を狭くします。

②業界の常識に捉われない
業界の常識というものは、業界1位の会社の経営手法が、いつの間にか業界の常識になっていることがあります。
小さな会社は、業界の常識を疑ってみることも必要です。

③同業者が実行していない方法を考える
同業者がまだ実行していない方法を見つけて、実行することです。
特に、他の業種・業界の営業方法が参考になります。

④思い切って革新する
時には思い切って革新が必要です。仕事の中には、単に「昔からそうしている」といった根拠が不明確な仕事が結構あるものです。
なぜ、この仕事が必要なのかを改めてチェックし、根拠が明確でないものは中止するか、新しい手法に変えましょう。

⑤差別化事例を研究する
中小企業の差別化の成功事例を集めて研究してみましょう。
ただし、成功事例が2つや3つだと、どれも特殊なケースに見えて、自社には役立たないように思えてしまいます。数多くの事例を学ぶことで、成功事例の中に自分の心に響くものがいくつか見つかるはずです。そこから、「自分にもできるはず」という自信が生まれてきます。経営する中で、実際に試してみると、ある時とても良い方法が見つかることがあります。

【事例】一戸建て外壁リフォームへの一点集中で業績を拡大!
ホームテック(福岡市)は、住宅リフォーム市場の中でも「一戸建ての外壁リフォーム」に特化して急成長した会社です。
住宅リフォームは新築住宅の工事と比べて一度に大量の受注がない上、工事単価も低いため、大手の参入がない市場でした。
さらに、一口にリフォームといっても、水回り(キッチン、バス、トイレ、洗面所など)、内装(クロス、ふすま、網戸、扉など)、外回り(外壁、屋根、ベランダ、庭、カーポートなど)と分野が数多くあります。
「一戸建ての外壁」に絞り込むことで、内装と違って野外から傷み具合やひび割れなどを確認できるため営業をかけやすい、施工後の品質の良さが地域へのアピールになる、一つに絞ることで社員教育がしやすい、原材料が外壁用だけで済むためコストダウンできるなど、があります。
商品、顧客、営業対象などを一点に絞り込むことで同社は、創業から4年で年商を25億円に伸ばしました。(参考:「新版小さな会社儲けのルール」フォレスト出版)

<弱者の戦略④>弱者は1位づくりの目標に対し、経営力を集中投入せよ
商品、営業地域、客層において「小規模1位」「部分1位」になるには、目標を一つに絞り、そこに経営力を集中投入します。力の弱い小さな会社が、いくつも目標を持って、経営力を分散させてしまうと、効率が悪くなってしまいます。
経営力の集中投入のヒントになる法則に「必勝の条件」があります。

〇必勝の条件
アメリカの数学者B・コープマンがランチェスター法則を使って導き出した法則です。
目標達成期間が3年のときは、競争相手の1.73倍の経営力を投入し、目標達成期間が5年のときは、競争相手の1.3倍の経営力を投入します。

例えば、営業マンの能力が同程度であるとき、ある地域において、競争相手が3人の営業マンの配置であれば、5人の営業マンを配置すれば3年後に1位に、4人を配置すれば5年後に1位になります。これが科学的根拠による「必勝の条件」です。
小さな企業では、営業マンにも限りがありますから、競争相手よりも少ない営業マンしか配置できていないのではないでしょうか。
それゆえ、目標を一つに絞り、その範囲を狭くすることで、持てる経営力を集中投入することができるのです。
勝つ見込みのない地域からは撤退し、自社にとって有利な地域に営業マンを配置するという決断も必要です。