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良書からヒントを得る経営者の本棚

2019年4月29日

社会人の平均読書冊数は、月2.6冊ほどですが、経営センスを磨く、経営のヒントを得るため、優れた経営者ほど読書量が多いといわれています。

乱世を生き抜いた判断と行動
―「徳川家康」(山岡荘八)...東洋紡社長 楢原誠慈氏
乱世を生き抜き泰平の世を築いた徳川家康の生涯を描いた全26巻に及ぶこの大作は、家康の人生哲学といえる数々の格言が経営の参考になるとして、多くの経営者に愛読されています。
同書について、楢原氏は、先行きが見通せない時代にあって、いかに判断し、行動したか、現在の状況と重ねられることが魅力であるといいます。

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いかに人材を育成するか
―「人を活かす経営」(松下幸之助)...ローソン社長 竹増貞信氏
経営の神様と呼ばれた松下幸之助氏の人の使い方、活かし方、ほめ方、叱り方の実体験が記されている本書は、特に若手の経営者にお勧めしたい一冊です。
竹増氏は、三菱商事時代に、組織のリーダーになったとき、部下の仕事ぶりに不満を抱いていました。そんなとき同書の「人を育てることは自分を育てること」とい松下氏の言葉に、「部下の至らない点と自分の長所とを比較しながら苛立っていた自分」に気づかされたそうです。

スピードや生産性重視の経営への転換
―「進化する日本的経営」(吉村久夫)...サイバーエージェント社長 藤田晋氏
終身雇用、年功序列に象徴される日本的経営が、戦後の大量生産・大量消費という社会にマッチしたものの、バブル崩壊後の成長鈍化、グローバル化などの構造変化の中では、スピードや生産性を重視した経営への転換を余儀なくされるというその盛衰を説明した本書。藤田氏は、欧米流の合理化や実力主義・成果主義が叫ばれる中、むしろ、日本社会には組織の和や帰属意識が必要と考え、本書などを参考に日本的経営を見直しました。そして、終身雇用や厚遇な福利厚生を導入して長く働く社員を奨励するというメッセージを打ち出す一方で、年功序列は排除するなど、新しいスタイルの日本的経営を目指しています。

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