MENU

福耳通信

miyachannel

HOME > 福耳通信 > 4月から労働時間の状況の把握が義務化!出勤簿への押印だけではダメ!

4月から労働時間の状況の把握が義務化!出勤簿への押印だけではダメ!

2019年3月12日

カテゴリ: 労務

事業主(経営者)には、これまでも労働者(従業員)の労働時間の客観的な把握が求められていましたが、4月1日から改正労働安全衛生法が施行され、従業員の健康管理を強化する観点から、労働時間の状況を客観的な方法で把握することが必要になりました。

Q1.4月から法令改正によって、事業主は従業員の労働時間の状況を把握しなければならなくなったそうですが?
A1.昨年6月に労働安全衛生法等が改正され、長時間労働やメンタル不調などによって健康リスクが高い状況にある労働者を見逃さないため、医師による面接指導や健康相談等が確実に実施されるように、4月から労働時間の状況を把握することが義務化されることになりました。

Q2.従来からも労働基準法では、経営者に労働時間を適切に把握することが求められていましたが?
A2.労働基準法では、労働時間、休日、深夜残業などの規定があることから、経営者は労働時間を適正に把握、管理する責務を有していることになります。
例えば「賃金台帳には、労働者ごとに、労働日数、労働時間数、休日労働時間数、時間外労働時間数、深夜労働時間数といった事項を適正に記入しなければならない」など、労働時間の状況を客観的に把握することが求められています。
しかし実情として、適切に把握・管理できていないケースが少なくありません。
そのような状況を踏まえ、平成29年1月、厚生労働省は「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」を策定し、経営者には労働時間の状況を把握する責務があることと具体的な把握方法を明確にしました。
miyake201904-3.jpg
Q3.ガイドラインが定める労働時間の状況の把握方法とはどのようなものですか?
A3.ガイドラインでは、原則的な方法として次の2つを挙げています。

①使用者が、自ら現認することにより確認する
②タイムカード、ICカード、パソコン使用時間の記録等の客観的な記録を基礎として確認し、適正に記録する

労働時間の状況を把握するとは、単に「1日何時間働いたか」というだけではなく、労働日ごとに始業時刻や終業時刻を経営者が確認・記録し、これを基に何時間働いたかを、客観的な方法によって把握・確定する必要があります。

【例】
始業時刻:9時 終業時刻18時
休憩時間:12時~13時(昼休憩)15~15時20分(午後の休憩)
正確な労働時間:7時間40分

Q4.法改正を機に、タイムレコーダーの導入を検討していますが、利用できる助成金はありますか?
A4.タイムレコーダーや勤怠管理ソフトの導入費用の一部を補助する助成金もあります。

Q5.従業員の自己申告による場合、「出勤した日に出勤簿へ判を押すだけ」でも良いのでしょうか?
A5.そのような方法は認められません。始業、終業や休憩の実際の時刻を記載した出勤簿の作成が必要になります。労働時間の状況の把握は、直行直帰の場合などに自己申告が認められるとされています。
改正労働安全衛生法による労働時間の状況の把握義務化に罰則はありませんが、労働基準法と合わせて、経営者の責務がより強化・明確化されたといえます。
2020年4月から、中小企業には、残業時間の上限について規制が設けられるため、これまで以上に、労働時間の状況を的確に把握することが求められています。

<関連情報>
タイムレコーダーや勤怠管理ソフトの導入で受給できる補助金があります!
改正の趣旨とは異なりますが、労働時間の削減や有給休暇の取得促進のために、タイムレコーダーなどの労務管理用機器や労務管理・勤怠管理ソフトの導入を助成する「時間外労働等改善助成金(職場意識改善コース)」があります。
週5時間以上の残業削減や年次有給休暇の取得日数を5日以上増加させるなどの成果目標を設定し、その達成のために、労務管理用ソフトウェア、労務管理用機器などの導入・更新などを行った中小企業主に対して、一定の要件のもと、費用の一部が女性されます。
申請の受付は、通常、平成31年度の予算成立後、4月から9月末にかけて行われます。厚生労働省HP等の最新情報に注意してください。
miyake201904-4.jpg
◎支給対象となる取組み(いずれか1つ以上を実施すること)

  1. 労務管理担当への研修
  2. 労働者への研修、周知、啓発
  3. 外部専門家によるコンサルティング
  4. 就業規則・労使協定等の作成・変更
  5. 人材確保に向けた取組み
  6. 労務管理用ソフトウェア、労務管理用機器、デジタル運行記録計の導入・更新
  7. テレワーク用通信機器の導入・更新
  8. 労働能率の増進に資する設備・機器等の導入・更新