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1月13日から施行!「自筆遺言」が変わります

2018年12月25日

平成30年7月成立の改正民法(相続法)において、遺言制度が見直され、自筆証書遺言の作成要件の緩和や、法務局での保管制度の創設が行われました。作成要件の緩和については、他の改正点に先立ち平成31年1月13日から施行されます。

○遺言制度についての主な改正点
1.自筆証書遺言の作成要件の緩和
自筆証書遺言に添付する財産目録は、パソコンでの作成が可能になりました。
ただし、全貢に署名・押印が必要です。

2.法務局での遺言書の保管制度の創設
自筆証書遺言を法務局で保管する制度が創設されました。

1.遺言書に添付する財産目録はパソコン作成が可能になります。
遺言とは、人が自分の死後、その効力を発生させる目的で、あらかじめ書き残しておく意思表示です。遺言には、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言があり、いずれも、民放の定める一定の方式に従って作成されなければ、法律上の効果は生じません。

○遺言書の種類
自筆証書遺言:その全文、日付、氏名を自筆し、押印した遺言
公正証書遺言:公正役場において、証人や公証人の立ち会いのもとで作成される遺言
秘密証書遺言:遺言者が署名、押印の上、封印した遺言書の存在のみを公証人が証明した遺言

遺言のうち自筆証書遺言は、自分一人でいつでも作成できるため、広く一般に利用されていますが、従来の民法では、自筆証書遺言を作成するには、添付する財産目録を含め、全文を自書しなければならず、財産が多数ある場合の負担は相当なものでした。
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改正後は、自筆証書遺言に添付する相続財産の目録については、パソコンで作成した目録や通帳のコピー、登記事項証明書など、自書によらない書面を添付することによって自筆証書遺言を作成することができるようになり、作成時の負担軽減が図られます。
ただし、目録等のすべての貢に署名・押印が必要です。

○施行日に注意!
パソコンによる財産目録の作成派、平成31年1月13日の施行日以降に行いましょう。施行日前のパソコンでの目録作成は、改正前の民法が適用され、無効となります。

2.法務局で遺言書が保管可能になります
従来の民法では、遺言の保管方法について特に定めがなく、自筆証書遺言は自宅で保管されることがほとんどでした。
そのため、次のような問題がありました。

・遺言書の紛失や作成したことを忘れてしまう。
・相続人によって遺言書が廃棄、隠匿、改ざんされてしまう。
・以上の問題から相続争いに発展してしまう。

このような問題に対処し、自筆証書遺言を利用しやすくするため、新たに遺言書保管法が創設され、封をしていない自筆証書遺言を法務局で保管する制度が整備されました。
遺言者本人が、遺言書を法務局に持参し、本人確認を受けた後、法務局において、遺言書とともに、画像データとして保管されます。
保管後に、遺言者本人は、いつでもこの遺言の内容を確認したり、新たな遺言を預け直したりすることができます。
遺言者の死亡後には、相続人や受遺者は、遺言書の閲覧、データ保管された遺言書の画像情報等を証明する書面の交付を請求することができます。
また、遺言書の閲覧がなされた場合、又は遺言書の画像情報等を証明する書面が交付された場合、遺言書が保管されている旨が他の相続人に通知されます。

○施行日に注意!
遺言書保管法は、公布日(平成30年7月13日)から2年以内に施行予定です。それまでは法務局への保管申請はできません。
※施行日は政令で公布されます。

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