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特例事業継承税制が適用できるかどうかのチェックポイント

2018年7月 9日

カテゴリ: 税務

特例事業継承税制(特例税制)は、自社の非上場株式を先代経営者から後継者へ承継することによる相続税・贈与税が実質的にゼロになる制度です。ただし先代経営者、後継者、会社それぞれに適用要件があり、現状で要件を満たさない項目があれば、その対応が必要になります。

1.先代経営者の要件
先代経営者の要件は、図表の通り4つあります。「会社の代表者であったこと」は、贈与の場合、贈与までに代表権を返上する必要があります。相続の場合は、相続開始直前において、代表者(代表取締役)でなかったとしても問題はありません。
また、「同族関係者グループで過半数の議決権株式を保有」し、「グループの中(後継者を除く)で、筆頭株主であったこと」の要件を満たさない場合には、自社株式の買取等によって、贈与・相続の開始までに同族関係者の中で筆頭株主になっておくことが必要です。この場合、株式買取のために資金対策なども必要になります。

2.後継者(受贈者)の要件 -贈与の場合-
要件は図の通りです。後継者(特例経営承継受贈者)が、現状において適用要件を満たさない場合は、以下のような対応が必要になります。

(1)会社の代表者ではない場合
現状で後継者が代表取締役でない場合は、贈与の時までに、代表取締役に就任すれば問題ありません。また、その後継者を含めて複数の代表取締役がいても構いません。

(2)役員就任後3年を経過していない場合
後継者が役員に就任して3年を経過すれば、株式を贈与して納税猶予を受けることが可能になりますので、贈与・相続等の適用期限(平成39年12月31日まで)に注意し、役員就任後3年を経過した以降に、株式の贈与を行う具体的な計画を立てましょう。

(3)後継者が保有株式数の上位者でない場合
同族関係者から自社株式を買い取るなどによって、代表者である後継者が同族関係者の中で議決権数の最上位者になります。

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3.後継者(相続人等)の要件 -相続の場合-
先代経営者の非上場株式等について、後継者である相続人(特例経営承継相続人等)が相続税の納税猶予を受けるには、先代経営者の死亡の直前において、後継者が役員であることが必要です。そして、相続開始の日の翌日から5か月を経過する日までに代表者となる必要があります。


4.資産管理会社は原則として適用できない
特例税制が適用できるのは、中小企業基本法で制定された中小企業です。ただし、常時使用する従業員が1人以上いることなどの要件があります。
※(例)製造業:資本金3億円以下又は従業員数300人以下。小売業:資本金5,000万円以下又は従業員数50人以下。

資産管理会社(一定要件を満たすものを除く)や医療法人、社会福祉法人、風俗営業会社なども適用対象外になります。
資産管理会社とは、有価証券、自ら使用していない不動産、現金・預金等の特定資産の保有割合が総資産の総額の70%以上の会社(資産保有型会社)や、これらの特定の資産から運用収入が総収入金額の75%以上の会社(資産運用型会社)をいいます。
資産管理会社のうち、次の要件をすべて満たす場合には、資産管理会社に該当しないものとみなされ、特例税制の適用を受けることができます。

  1. 3年以上、商品販売・貸付け(同族関係者に対する貸付けを除く)等を行っている。
  2. 後継者・生計を一にする親族以外の常時使用従業員が5人以上である。
  3. 常時使用従業員が勤務している事務所、店舗等を所有又は賃借している。

特例税制が自社に適用できるかどうかについては、当事務所にご相談いただき、一緒に対応を考えていきましょう。

<特例税制を適用できる会社(要件)>

(1)先代経営者 (2)特例経営承継受贈者(贈与の場合) (3)特例経営承継相続人等(相続の場合)
会社の代表者であったこと 会社の代表者であること 先代経営者の死亡の直前において役員であったこと
被相続人と同族関係者で発行済議決権株式総数の50%超の株式を保有 20歳以上であり、かつ役員就任後3年を経過していること 相続開始の日の翌日から5か月を経過する日において代表権を有していること
同族関係者(特例経営承継相続人を除く)の中で筆頭株主であったこと
※代表者であった当時のいずれかの時点と相続開始直前に要件を満たす必要がある
同族関係者と合わせて発行済議決権株式総数の過半数を保有し、かつ、その同族関係者の中に保有株式数の上位者がいないこと 相続等により財産を取得した代表者であり、同族関係者と合わせてその過半数を保有し、かつ、その同族関係者の中に保有株式数の上位者がいないこと
平成39年12月31日までに株式を後継者に一括して贈与する 贈与の時から認定申請日まで引き続き、贈与により取得した会社の株式のすべてを保有していること 相続開始の時から認定申請日まで引き続き、相続等により取得した会社の株式のすべてを保有していること