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人口減・高齢化を言い訳にせず

2018年6月 1日

人口が減少する中で、経済も停滞を続け、日本は超長期的には消滅してしまうのでしょうか?
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結論を先に言うと人口減少と高齢化は経済の停滞を運命づけるものではありません。むしろ場合によっては、人口減少や高齢化が経済を活性化する可能性すらあります。
経済成長率は、人口増加率・労働参加率・生産性上昇率の3つを足し合わせたものになります。この算式に当てはめて計算した場合、高度成長時代の年率8%の成長のうち人口増加の要因ではなかったことがわかります。同様に、最近の人口減少と高齢化も経済成長にマイナスの影響を与えるものの、決定的な要因とは言えません。
そもそも人口減少が経済成長の大きな要因と認識されるようになったのは最近の事です。1948年、日本の人口が8千万人を超えた年に、読売新聞(9月14日付)は「人口問題に関心を持て」と言う社説を掲載しました。
ここでの人口問題とは人口過剰問題です。日本の国土に相応な5千万人を超える無責任な人口増加が「戦争誘致の最大の原因」だったと指摘したのです。人口問題とは人口過剰問題であると言う認識は、当時は常識的なものでした。
実際には日本は高度成長を達成することで8千万人が何とか生活を維持できるかどうかと言う状態から1億人以上の人々が豊かな生活を実現できるまでに発展しました。
人口増加が経済成長を引き起こしたのではなく、むしろ経済成長が人口増加を可能にしたのです。こう考えると、人口が減少すると極端に高い生産性の向上がなくても豊かな社会の維持が可能になることがわかります。
重要なのは、人口が減っても高い経済成長を実現する生産性の向上であり、それを実現する経済改革です。最も重要なのは、規制改革・国際的経済活動の自由化・健全な競争を妨げるような弱者保護の政策の是正など思い切った施策を通じて日本経済の新陳代謝を高め、最新の知識や技術がより早く経済活動に反映される環境を整えて行くことです。
こう考えると日本経済の近未来は明るくなり、人口減少を恐れるべきではないのです。