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固定資産税は、毎年1月1日現在の土地、家屋及び償却資産(これらを固定資産という)の所有者に対して、その固定資産の所在地の市町村(東京23区は都)が課税する税金です。平成30年度は、3年に一度の土地、家屋の固定資産価格(評価額)の評価替えが行われます。
土地・家屋の固定資産税の評価額はどのように決まるのか?
(1)評価額は、3年ごとに見直される
固定資産税の対象となる土地、家屋は次のようなものです。
土地 | 田、畑、宅地、塩田、牧場、鉱泉地、池沼、山林、原野その他の土地 |
---|---|
家屋 | 住家、店舗、工場、倉庫その他の建物 |
土地、家屋の評価額は、3年ごとに見直し(評価替え)が行われます。言い換えると、原則として3年間は、固定資産税の税額は変わりません。
土地は、公示価格や都道府県地価調査価格、不動産鑑定士による評価を参考に、これらの7割程度を基礎として、土地の現況(使用状況)に即して、評価額が決まります。
(2)家屋が古くなっても固定資産税の税額が変わらないのはなぜ?
家屋は、「同じ家屋を再度新築した場合にかかる費用(再建築価格)」に「築年数に応じた損耗を考慮した減価率(経年減点補正率)」を乗じて評価するため、家屋が古くなっても、建築費の上昇が、減価率を上回ると、評価額が上がることになります。
ただし、評価替えによる評価額が、評価前の評価額を上回る場合には、税負担を考慮して、評価前の評価額が据え置かれるため、固定資産税の税額が変わらないのです。
(3)市町村が家屋の現況を調査する
固定資産税の課税の公平を期すため、地方税法に基づき市町村が現況調査を行っています。
調査は、航空写真や現地調査等により、現況と固定資産課税台帳との照合を行います。家屋の現況調査では、敷地周辺からの確認のほか、所有者の許可のもと、敷地内への立ち入りなどが行われます。
住宅用地は税負担が軽減される
(1)固定資産税の税額は?
固定資産税の税額は、固定資産税評価額をもとに算出された「課税標準額」に税率を乗じた額になります。所有する土地、家屋が都市計画法による市街化区域内に所在する場合は、併せて都市計画税が課税されます。
固定資産税 | 課税標準額1.4%(標準税率) |
---|---|
都市計画税 | 課税標準額最高0.3% |
※実際に適用される税率は市町村によって異なります。
課税標準額は、基本的に固定資産税評価額と同一額ですが、課税標準の特例措置などが適用される場合には評価額よりも低くなります。
(2)住宅用地に対する固定資産税の特例
土地に対する固定資産税のうち、住宅やアパート等の敷地として利用されている「住宅用地」については、税負担を軽減する目的から、その面積の広さによって「小規模住宅用地」と「一般住宅用地」に分けて課税標準額を減額する特例が設けられています。
なお、住宅用地には、「専用住宅用地」(家屋のすべてが居住用)と「併用住宅用地」(家屋の一部が居住用)の二つがあり、「専用住宅用地」の場合は、家屋の床面積の10倍まで、「併用住宅用地」の場合は、家屋の面積の10倍に一定の率を乗じた面積までが特例措置の適用範囲になります。
●民泊と固定資産税
例えば、住んでいない空き家(戸建て)を民泊に活用した場合、地方税法の「専ら人の居住の用に供する家屋」に該当しなくなり、その敷地が住宅用地の減額特例の対象から外れることになります。あるいは、現に住んでいる自宅の一室や賃貸アパートの一室を民泊に活用した場合、居住部分の場合によっては、固定資産税が増額することもあります。
(3)土地や家屋の状況に変更があった場合
住宅用地の特例措置を正しく適用するためにも、土地や家屋の状況に変更があった場合、市区町村に「固定資産税の住宅用地等申告書」により申告する必要があります。
登記簿の家屋の「種類」についても、「店舗」「事務所」など事業の用途から、「居宅」に変更した場合には、種類変更の登記をしましょう。未申告や未登記のために、住宅用地の特例措置を受けていない例があります。
<市町村への申告が必要な具体例>
- 住宅の新築又は増築
- 住宅の全部又は一部の取壊し
- 住宅の建て替え
- 家屋の全部又は一部の用途を変更
- (例)店舗を住宅に変更など
- 土地の用途(利用状況)を変更
- (例)住宅を民泊に利用、住宅の敷地を駐車場に変更
未登記でも固定資産税はかかる
未登記の土地、家屋については、市町村が調査を行い、所有者と判断した人に納税通知書を送付し、固定資産税を徴収しています。
未登記にもかかわらず、納税通知書が届くため、登記済と誤解している例があります。
<住宅用地に対する課税標準の特例>
固定資産価格(評価額)に特例率を乗じて課税標準額を算出します。
区分 | 課税標準額 | ||
---|---|---|---|
固定資産税 | 都市計画税 | ||
小規模住宅用地 | 住宅やアパート等の敷地で200㎡以下の部分 | 価格1/6 | 価格1/3 |
一般住宅用地 | 住宅やアパート等の敷地で200㎡を超える部分 | 価格1/3 | 価格2/3 |
住宅用地に係る面積の適用範囲
家屋の面積に以下の率を乗じた面積までが適用範囲になります。
家屋 | 居住部分の割合 | 住宅用地の率 | 家屋 | 居住部分の割合 | 住宅用地の率 |
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専用住宅 | 全部 | 1.0 | 地上5階以上の耐火建築物である併用住宅 | 1/4以上1/2未満 | 0.5 |
右記以外の併用住宅 | 1/4以上1/2未満 | 0.5 | 1/2以上3/4未満 | 0.75 | |
1/2以上 | 1.0 | 3/4以上 | 1.0 |
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