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有給休暇についての素朴な疑問

2018年4月23日

カテゴリ: 労務

これまでに有給休暇(有休)に関する法改正が何度か行われていますが、今後されに改正される可能性があります。有休の法制度について経営者の素朴な疑問についてお答えします。

有休は従業員が雇入れ日から6ヵ月以上継続して勤務し、その間の出勤率が8割以上あれば、最低10日の日数を与えなければならないとされています。以後は、1年ごとに有休付与日数が増えていきます。

勤続年数付与日数勤続年数付与日数
6ヵ月 10日 4年6ヵ月 16日
1年6ヵ月 11日 5年6ヵ月 18日
2年6ヵ月 12日 6年6ヵ月以上 20日
3年6ヵ月 14日

Q.従業員から有休の取得申請があれば、繁忙期や人手が足りないときでも、有休を与えなければならないのでしょうか?
A.有休は、原則として、従業員から請求のあった時季に与えなければなりません。
「同じ時季に多くの従業員が休む。代替要員の配置が難しい」など、事業の正常な運営が妨げられる場合は、時季の変更を求めることができます。
ただし、単に「日常的に忙しい。人手が足りない」などの理由では、時季の変更を求めることはできません。慢性的な人手不足の会社では、従業員が有休を取れなくなってしまうためです。

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Q.業務や他の従業員との調整が必要なため、有休申請は事前にすることを義務付けています。それでよいでしょうか?
A.有休取得の事前申請の期間が合理的であれば、問題ありません。
「合理的な期間」のとらえ方は、会社の規模や業種によって異なりますが、少人数の会社ほど、従業員1人当たりの負担・責任も大きいことから、事前申請の期間は比較的長くなることも想定されます。


Q.未消化の有休を従業員から買取ってもよいのでしょうか?
A.原則として、未消化分の有休を買取ることは認められません。
有休は、従業員が休日以外の日に有給で休暇を取得することを労働基準法が定めた制度だからです。


Q.有休を取得した従業員には、皆勤手当を支払わなくてもよいのでしょうか?
A.有休取得日以外の出勤日に出勤しているならば、原則として皆勤手当は支給しなければなりません。
皆勤手当てや賞与の算定等に際して、有休取得日を欠勤や欠勤に準じた取扱いにすることは、従業員への不利益な取扱いになります。



Q.従業員の有休取得が少ないので、会社として、有休の取得を促進しようと思います。良い方法はないでしょうか?
A.有休のうち、5日を超える分については、あらかじめ有休の取得日を割り振る「計画的付与制度」があります。これを活用してはどうでしょうか。

●計画的付与制度
1.一斉付与方式
全従業員に一斉に有休を与える。

2.交替制付与方式
班・グループ別に交替で有休を与える。

3.個人別付与方式
個人別に、夏季、年末年始、ゴールデンウィークのほか、誕生日、結婚記念日など従業員の個人的な記念日などをあらかじめ指定して有休を与える。

計画的付与制度の導入にあたっては、就業規則への規定と労使協会の締結が必要になります。
なお、労使協定は、労働基準監督署へ届け出る必要はありません。

経営者としては、有休の取得が増えると、その分、業務量が減って、生産性が低下し、売上が下がるのではないか、という心配があると思います。
しかし、そうならないように、業務改善を進めて、有休取得率を大幅に増加させたところ、離職率が下がり、業績もアップした企業の例もあります。
残業削減を含めて、業務の効率化を図り、従業員のモチベーションを上げつつ、業績向上を図る取り組みを行いましょう。

労働基準法改正で、有休休暇の取得が一部義務化される!?
(1)5日分の有休取得を義務付け
現在、議論されている「働き方改革」では、「有休が10日以上付与されている従業員を対象に、そのうち5日分については、会社が社員に与えることを義務付ける」ことが検討されています(一定日数の年次有給休暇の確実な取得)。
具体的には、年5日の有休については、会社が、あらかじめ従業員から聞いた取得時季の希望を踏まえて、「〇月×日」「〇月〇日ー×月〇日」と時季を指定して有休を取得させることが義務付けられることになります(2020年4月施行予定)。

(2)企業側の対応は?
有休取得の一部義務化への会社の対応としては、前途で紹介した「計画的付与制度」を活用するとよいでしょう。
計画的付与制度によって与えた有休分については、会社が付与すべき義務の日数(5日)から除かれます。また、従業員が自ら取得した有休も義務日数分から除かれます。
例えば、以下のように、すでに5日以上の有休取得が進んでいる企業の場合は、取得義務化の影響はありません。

  1. 従業員自ら5日以上の有休を取得している。
  2. 会社が有休の計画的付与によって5日以上の有休を与えている。
  3. 従業員自らが有休を2日取得し、さらに会社が3日以上の有休を計画的付与によって与えている。