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中小企業においても、金融機関をはじめ、外部の人に自社の概要の説明が必要な機会が増えています。その場合は、自社の特徴を「ビジネスモデル俯瞰図」として図式で表すと相手に伝わりやすく、また、改めて自社の経営戦略を考えるキッカケになります。
ビジネスモデル俯瞰図とは
金融機関等の外部の人に説明が必要な自社の概要には、所在地(本社、支店、営業所)、創業年月日、株式・株主の状況、役員構成(取締役等の状況)、会社の理念・ビジョン、従業員数、組織図、会社沿革、事業内容、ビジネスモデル俯瞰図などがあります。
ビジネスモデル俯瞰図とは、自社の商品やサービスの流れが外部の人にもわかるように、仕入先や販売先、業務委託先などすべての取引先をビジネスの商流・物流・資金の流れに合わせて図式に表したものです。
例えば、自社の業務はどのようなもので、仕入先や販売先とどのような関わりによって事業が成り立っているか、自社のサプライチェーンなどを口頭や文章で金融機関等に説明しても、なかなか正しく伝わりません。図式化することで、一目で、金融機関等に自社の業務の全体像や商流を伝えることができます。
製造業(自動車部品メーカー)の例では、大手自動車メーカーの3次下請けであることや、仕入先、得意先とその取引高などの商流や事業構造がわかります。
ビジネスモデル俯瞰図は、金融機関等への説明資料としてだけでなく、早期経営改善計画の策定において必須のものとなっています。
自社のビジネスの全体を俯瞰することによって、現状と課題が明らかになり、経営計画や改善策を立てる一助となります。
●俯瞰図と作成してみよう!
- 自社を中心に販売先(お客様)と仕入先を書いて、それぞれを四角い枠で囲む。事業内容、業歴、資本金、従業員数などの基本情報を書き込む。
- どのような仕入先があり、その割合などを書き出す
- 取引の流れ(サプライチェーン)を矢印でつなぐ。
作成課程で浮かび上がる課題と改善案
ビジネスモデル俯瞰図の作成過程において、自社の強みや課題が浮かび上がり、そこから改善案が見えてきます。
(1)強み
1.創業から25年が経過し、老舗の味として認知度が上がっており、根強いファン層の来店が多い。
2.従業員が定着しており、業務の効率性も良く、接客対応も行き届いている。
(2)課題
1.5年前に出店した郊外店の売上が当初の目標に届いておらず、会社全体の利益を押し下げている。
2.本店、郊外店がそれぞれ仕入の発注を行っており、仕入ロスや偏りがある。
3.本店、郊外店の異なる客層に対応できるメニュー開発が遅れている。
4.郊外店の近所に競合店が開店したため、顧客の分散を心配している。
(3)改善案
1.本店と郊外店で一括仕入をすることにより仕入ロスを減らせないか。
2.セントラルキッチン方式を採用して、仕込み作業を効率化できないか。
3.曜日別、時間別のメニュー別オーダー数をデータ化するため、AIレジを導入できないか。
4.郊外店の平日のランチタイムにレディースランチを充実させ、来店客数を増やせないか。
5.本店のディナータイムのドリンク類のメニューを増やし、客単価をアップできないか。
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