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人は、合理的に行動しないもの

2018年2月 5日

昨年のノーベル経済学賞に、行動経済学の権威であるリチャード・セイラー教授(シカゴ大学)が選ばれました。
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例えば、安い米国産の牛肉を買うつもりで売り場に行ったにもかかわらず、100gが300円の米国産牛、700円の国産牛、2,500円の高級黒毛和牛が並んでいると、予定していなかった100g700円の国産牛を買う人が多いのだそうです。このような合理的でない行動こそ、むしろ人間らしい行動であるという考え方が行動経済学です。セイラー教授は、人が合理的に行動しないことを前提に、正しい選択をする手助けとして"ナッジ(Nudge)"というアイデアを提唱しています。
この考え方を探り入れたのが、米国のグーグル社です。同社には、福利厚生のために24時間無料で食べ放題の社員食堂がありますが、社員の肥満が目立ち始めたことから、サラダバーや飲料水は取りやすい一番良い所に、清涼飲料水やスイーツなど糖分の多いものは取りにくい所に配置し、容器のサイズも小さくするという簡単な仕掛けをしてみました。すると、野菜の量が増え、肉や清涼飲料水やスイーツの量が減って、社員の減量に効果があったといいます。直接的にダイエットを意識させずに、それとなく誘導することで、目的を達成させることがナッジです。ナッジを職場に応用すれば、知らない間に行動を変えることができるかもしれません。

年末調整が終わったかと思えば、すぐに確定申告の時期を迎えます。税理士事務所にとっては一番の繁忙期となります。生産性を上げるためにもなるべく合理的に行動していきたいものです。