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本格化まであと半年!パート・契約社員の「無期雇用への転換」とは?

2017年10月23日

カテゴリ: 労務

平成25年4月に施行された改正労働契約法の「無期雇用への転換ルール」(有期労働契約が5年を超えると無期労働契約に転換できる)が、来年(平成30年)4月で5年を経過し、無期雇用への転換が本格化します。パート従業員が多い中小企業では、無期雇用への転換によって、「パートを正社員にしなければならないのか?」「待遇を正社員並にしなければならないのか?」などの誤解や疑問があるようです。

無期雇用は定年まで雇用期間は一定期間
「有期労働契約(以下、有期雇用)」とは、半年や1年など期間を区切った雇用契約をいい、「無期労働契約(以下、無期雇用)」とは、期間の定めがなく、就業規則などで定年が定められていければ定年までの雇用契約のことです。両者の違いは、「雇用期間の定め」の有無にあります。
解雇については、無期雇用の場合は正社員同様、労働契約法の解雇ルール(第16条)に従うことになります。
有期雇用の場合は、契約期間が尊重されるため契約期間中の解雇は、正社員よりもハードルが高いとされてます。
契約満了に伴う雇止めについては、1年以上継続したときや3回以上の更新があったときには、30日前に雇止めの予告を行う必要があります。
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「無期雇用への転換」のねらいと要点

有期雇用の契約が通算5年(反復継続)を超えた場合、労働者から無期雇用への転換の申込みがあったときには、期間の定めのない無期雇用に転換されるルールです。
平成25年4月1日以後に開始した有期雇用契約の場合、最短で平成30年4月1日からの転換の申込みが可能になります。
そもそもこの制度は、契約期間中にもかかわらず雇用主の都合で安易に解雇されたり、短期間の契約更新が繰り返されるなど、パートや契約社員などの雇用が不安定な立場に置かれ、特に契約終了の際に、労使間のトラブルが発生しやすいことから、有期雇用者が安心して働けるようにしたものです。
長く勤めているパートの方に、無期雇用に転換してもらうことで、会社は経験豊富な人材を確保でき、パート社員は契約期限について不安を抱えず、安心して働けるというメリットがあります。

(1)転換の申込みは拒否できない
無期雇用への転換の申込みがあった場合、その時点で使用者(雇用主)は「申込みを承諾したものとみなされる」ため、拒否することはできません。
無期転換権が発生する前に、労働者にあらかじめ無期転換権を行使しないことを約束させること(無期転換権の事前放棄)は、無効とされています。

(2)「無期雇用=正社員」ではない
有期雇用から無期雇用への転換は、パート契約社員を正社員にすること、あるいは待遇を同等にするという意味ではありません。
契約期間を有期から無期へ転換するだけであれば、賃金や労働時間などのその他の労働条件を変更する必要はありません。
例えば、これまで週3日出勤で1日5時間勤務のパート(時給1,000円)が有期雇用あら無期雇用に転換しても、労働条件はそのままでも問題はありません。

ルール本格化に向けた準備
無期転換ルールの本格化にそなえて、まずは、無期雇用への転換の趣旨や内容を正しく理解して、次のような準備をしましょう。

1.有期雇用者の状況を把握する
パート、契約社員それぞれの初回契約日、契約期間、更新回数、勤続年数、平成25年4月1日以降の更新状況等を把握します。

2.無期雇用者用の就業規則等を整備する
無期雇用者用の就業規則や雇用契約書を整備していないと、正社員の就業規則がそのまま適用される可能性があります。また、無期雇用者の定年を規定しておかないと、「定年なし」雇用となりますので注意が必要です。

3.手続書類を整備しておく
「無期労働契約転換申込書」など書類整備をし、口頭による申し込みでのトラブル等を未然に防止します。
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<設例>
平成25年1月1日に1年間の有期雇用契約を開始し、以降1年間の有期契約を繰り返した場合
平成25年1月1日に1年間の有期雇用契約を結んだ場合(以降も1年間の有期雇用契約を更新したと仮定)、同25年12月31日で1回目の契約が満了し、平成26年1月1日の有期雇用契約から計算の対象になります。そして、5年経過後の平成31年1月1日~同31年12月31日の間に無期雇用契約への転換の申込みが可能になり、転換の申込みがあれば、平成32年1月1日から無期雇用契約に転換しなければなりません。
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