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早期経営改善計画とは

2017年9月 4日

中小企業が資金繰りや採算管理の経営改善などに早めに着手できるように認定支援機関(税理士等)の助言を受けながら自社の「早期経営改善計画」を作成できる国の制度が開始(5月29日より)されました。この制度には、経営者自身が自社の現状と課題に真剣に向き合うことで、どんな状況の変化にも対応できる強い会社づくりに取り組んでもらおうというねらいがあります。

1.手軽に経営改善計画が作成できる
「早期経営改善計画」とは税理士等の認定支援機関の支援を受けて作成する、簡易な経営改善計画(ビジネスモデル俯瞰図、資金実績計画表、損益計画、アクションプランなど)のことです。従来の金融支援を前提とする経営改善計画とは異なり、より簡潔な手続きで経営計画を作成することが可能です。

2.制度のポイントは?
この制度の主なポイントは、次のようなことです。

  1. 認定支援機関(税理士等)の助言を受けて簡易な手続きで計画を作成できる。
  2. 作成費用(モニタリング費用を含む)の1/3を企業が負担する。
    2/3は国が支援する(上限20万円)
  3. 計画策定から1年後にモニタリング(改善の進捗チェック)が受けられる。
  4. 必要に応じて本格的な経営改善や事業再生の支援策の紹介を受けられる。

<早期経営改善計画作成のメリット>
・自社の経営を見直し、経営課題の発見や分析ができる。
・資金繰りの把握が容易になる。
・事業の将来像を金融機関に伝えることができる。

「ここのところ資金繰りが不安定だ」「よくわからないが売り上げが減少している」「自社の状況を客観的に把握したい」「専門家から経営に関するアドバイスが欲しい」「経営改善の進捗についてフォローアップをしてほしい」といった悩みを持つ経営者に最適な制度です。

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3.「早期経営改善計画書」作成の手順
手順1.自社の現状を分析する

  1. 自社の現状を過去の業績の推移や「ローカルベンチマーク」等で確認します。
  2. 売上構成比別の販売先・販売ルート等と構成比別(金額別)の主な経費・仕入れ先を「ビジネスモデル俯瞰図」に記入し、貴社の概況を確認します。
  3. 現状の問題点を洗い出し、経営課題と改善策を検討します。

手順2.財務目標を立てる
手順1の現状分析の資料等を基に前々期から当期までの「資金実績・計画表」と短期(ないし3ヵ年)の「損益計画」を作成します。

手順3.アクションプランを作成する
主な経営課題を書き出し、それに対する具体的な行動計画を書き込んだ「アクションプラン」を作成します。
アクションプラン例:
○「見積り→受注→納品→請求→回収」のサイクルを早めるため、全社員で、受注進捗表を共有し、確認できる体制にする。
○商品別の利益率と在庫を管理するため、部門別損益計算を導入する。等々

手順4.「早期経営改善計画書」を提出する

手順5.アフターフォロー(モニタリング)を行う
提出から1年後に「早期経営改善計画書」の進捗状況のモニタリングを行います。

4.制度を活用して金融機関との関係強化を
「早期経営改善計画策定支援事業」は社長が自社の現状を再度見つめなおすきっかけになります。
自社がどのようなサービスを提供しているのか、事業は順調なのか、社長自身が経営を今後どうしていきたいのか、今一度考えてみることが大切です。
また、この制度を活用して、計画書を金融機関に提出したり、モニタリングでアクションプランの達成状況を金融機関と一緒に確認したりすることは、金融機関との「対話」を実現し、関係強化をはかる絶好の機会となります。この機会に制度を活用してみてはいかがでしょうか。

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