miyachannel
社内不正は、会社内部の問題だけで終わらず、取引先や金融機関からの「信用低下」という大きな損害を被ることになります。
どうして社内不正が起こるのか?
不正は、素行の悪い人物よりも、ごく普通の人によって引き起こされる例が多いといわれています。
そのような例は、事務の不正やミスを防止するために、記帳を2人以上の担当者にしたり、現金等の出納・保管・記帳の業務を分けるなどの内部牽制が働きにくい中小企業ほど起こりやすいといえます。
不正が起こりにくい仕組みをつくろう
社内で発生する不正の多くは、会社の金銭、物品の横領や着服など、いわゆる「使い込み」と呼ばれるものです。このような不正は、社内体制に内部牽制によるチェック機能を働かせることで防止することができます。
ケーススタディ:不正の事例とその対策例
不正が起こりにくい社内体制をつくるため、不正の事例を参考に、具体的な対策を検討してみましょう。
【事例1】金券類の不正な換金
経理担当者が、切手、収入印紙、商品券を必要以上に購入し、金券ショップで換金していた。税務調査で、収入印紙の購入枚数と使用枚数の確認調査が行われ、不正な換金が見つかった。
<対策例>
購入と管理を業務分担し、同一人物が行わないようにする。
金券類の購入枚数や使用目的などをチェックするために「受払簿」を作成する。
金券類の受払いの際には、払出管理者と使用者が受払簿に確認印を押す。
金券類の使用頻度が少ない場合は、ストックの上限を決めて購入する。
【事例2】在庫の水増し
商品管理担当者が、商品が複数の倉庫で保管され、管理が甘くなりがちなことを利用して、在庫品の横流しをしていた。
経理担当者が、在庫金額の異常な増加を疑問に思い、在庫集計表と各倉庫のたな卸表を突合したところ、帳簿の記載より実際の在庫が少なかったことから、在庫の水増しが見つかった。
<対策例>
出荷は、必ず営業責任者が承認した出庫指示書に基づいて行う。
実地たな卸には、経理部門の責任者が社長が必ず立ち会う。
実地たな卸の結果、数量不足があれば、その原因究明を徹底する。
倉庫管理者から不良品や破損・毀損等として報告された在庫は、経理責任者や社長が確認する。
【事例3】個人使用分のつけ回し
営業社員別の経費分析をした結果、個人的な飲食代を交際費として会社につけ回したり、カラ出張などが見つかった。
<対策例>
交際費や交通費の支出は事前申請とする。
予め、交際費の予算を役職別、個人別に決めておく。
交際費、交通費の仮払いの精算は、予め、1週間以内など短期間で行うようにする。
【事例4】仕入先からのリベート
仕入担当者が、仕入先からのリベートを会社に報告せず、着服していたが、仕入先の税務調査の反面調査をきっかけに、不正が見つかった。
<対策例>
「販売奨励金規約」や「リベートに関する覚え書」などを交わし、リベート額を書面で明確にしておき、内容は社長が確認する。
リベートの受取りを銀行振込にする。
T&A税理士法人
〒194-0013
東京都町田市原町田3-2-1 原町田中央ビル5F
TEL : 042-720-3120