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残業時間と残業代の計算方法を正しく理解しょう!

2017年7月24日

カテゴリ: 労務

宅配大手ヤマト運輸の残業代未払い問題など、「残業」が社会的な関心事になっています。労働時間のどこから残業時間となり、どこから残業代(割増賃金)が発生するのか、残業時間と残業代について正しく理解しましょう。

最近の是正勧告事例
労働基準監督署(労基署)は、企業を調査(臨検)し、労働基準法などの違反があった場合、事業主に対して是正勧告を行います。
是正されない場合や、勧告に従わない場合は、送検することもあります。

【事例1】
配達業務のみを労働時間とし、社内業務の時間を算入しなかった
ヤマト運輸の横浜市内の支店が、ドライバーに、「昼食休憩時間を与えていなかった」「残業代の未払いがあった」ことから、労働基準法違反として、是正勧告を受けた。
同支店では、タイムカードの他、ドライバーが配達時間を管理する携帯端末で労働時間を管理していたが、携帯端末の稼働時間のみで労働時間を計算し、支店内での業務の大部分が労働時間として算入されていなかった。


【事例2】
パソコンのログオフ記録から出勤簿との相違を指摘された
B社は、「出勤簿」と、社員が事前に申請する「残業届」によって労働時間を把握していたが、労基署の調査によって、パソコンのログオフ記録や電子メールの送受信履歴から、時間外労働が正しく把握されておらず、「残業代が適切に支払われていない」として、労働時間を適正に把握することと、過去の労働時間の実態調査を行って、賃金の不足額を支払うよう勧告を受けた。


【事例3】
始業5分前が勤務時間とされた
C医院では、午後3時~8時の診察時間に合わせて労働時間としていたが、実際には、診療5分前の2時55分から勤務時間としていたため、3時までの5分間についても、勤務時間として未払分の賃金の支払いを労基署から勧告された。
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どこから残業になるのか?
所定労働時間を超えると残業
労働基準法では、「法定労働時間」として「1週間につき40時間、1日につき8時間まで」を上限としています。
「法定労働時間」の範囲内で、1日7時間など、会社が決めた労働時間が「所定労働時間」になります。
例えば、9時始業で17時終業(うち休憩1時間)の会社の場合、所定労働時間は、7時間になります。
所定労働時間が終了した時刻から、法定労働時間の時刻までの部分の残業は「法定内残業」になります。
例えば、1日の所定労働時間が7時間の会社が、法定労働時間の8時間まで働いた場合、1時間の法定内残業が発生します。

●休憩時間
1日の労働時間が、6時間を超えると45分以上、8時間を超えると1時間以上の休憩時間を与えなければなりません。
1日の労働時間が6時間未満の場合は、休憩を与えなくても問題ありません。

労働時間が法定労働時間(1日8時間、1週40時間)を超えると「法定外残業」になります。
1日の労働時間だけでなく1週間の労働時間でも同様に、法定内残業、法定外残業が発生します(例:休日出勤した場合)。

残業代(割増賃金)計算の基本
法定労働時間を超えた残業については、時給単価に25%以上の割増賃金を支払います(例:時給単価が1,000円の場合、1,250円以上)。
法定内残業分の残業代については、就業規則や労働契約等において定めがなければ、割増なしの「時給単価」で計算します。
深夜22時から翌朝5時までの時間帯に残業して労働した場合には、時給単価に50%以上の割増賃金を支払う必要があります。

割増賃金の計算から除く手当は?
一般に賃金には、労働と直接的な関係が薄く、個人的な事情に基づいて支払われる手当があります。
労働基準法では、割増賃金の時給単価を計算するときの基礎賃金から、家族手当、通勤手当などは除外すると規定しています。

<時給単価の計算から除外される手当>

  • 家族手当
  • 別居手当
  • 住宅手当
  • 通勤手当
  • 子女教育手当
  • 臨時に支払われた賃金
  • 1ヵ月を超える期間ごとに支払われる賃金

残業時間は1時間単位で計算してもいいの?
割増賃金の計算は、原則として、毎日の時間外労働を1分単位で正確に計上するのが正しい労働時間管理といえます。労働時間の端数計算を、四捨五入ではなく常に切り捨てで計算することは、認めれれていません。

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