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自社の健康診断ツール「ローカルベンチマーク」って何?

2017年7月10日

カテゴリ: 経営

金融庁は、金融機関に対して、「ローカルベンチマーク」(通称:ロカベン)という企業の健康診断ツールを使って、融資先企業の経営状態を把握し、積極的に対話することで、早期に課題を発見し、具体的な支援につなげることを求めています。

ロカベンは、企業と金融機関との対話ツール

社長:最近、取引銀行の担当者が、会社の強みや課題、聞きなれない経営分析値などについて、盛んに聞いてくるのですが、どうしてでしょうか。

税理士:金融機関は、金融庁から融資先企業の現状を知り、積極的に経営者と対話することを求められています。これまでの担保や保証に依存した融資から、企業の事業性評価に基づく融資や経営改善、生産性の向上等の支援への積極的な取り組みが期待されています。

社長:具体的にどうなるのですか。これまでの融資と変わるのでしょうか。

税理士:企業の経営診断としての指標・手法だるローカルベンチマーク(ロカベン)を使います。
ロカベンは、現状の把握と問題点を洗い出すための「財務情報(6つの指標)」と問題点を改善し、今後の方向性を導き出すための「非財務情報(4つの着目)」の2つに分けられます。
各データをもとに、経営者と金融機関が、同じ目線で「企業の経営力の評価と経営改善に向けた対話」を行うためのツールとして活用しようとしているのです。
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<財務情報(6つの指標)...現状の把握と問題点の洗い出し>

1.売上持続性 売上増加率【計算式】(売上高前年度売上高)-1
売上は、会社の血液ともいえる資金の源泉であり、売上増加率は企業の成長ステージ(創業~成長段階、衰退~再生段階)を判断するための有用な指標になります。
2.収益性 営業利益率【計算式】営業利益売上高
営業利益率は会社の本業における収益性を判断する重要な指標になります。
3.生産性 労働生産性【計算式】営業利益従業員数
成長力、競争力を評価する指標で、キャッシュ・フローを生む収益性の背景にある要因と考えられます。
4.健全性 EBITDA有利子負債倍率【計算式】(借入金ー現預金)(営業利益+減価償却費)
有利子負債がキャッシュ・フローの何倍かを示す指標であり、有利子負債の返済能力を測る指標です。
※EBITDAとは、利払い前・税引き前・償却前利益のこと。
5.効率性 営業運転資本回転期間【計算式】(売上債権+棚卸資産ー買入債務)月商
過去数値との比較や、売上増減との比較から、運転資本の増減を測り、回収や支払等の取引条件の変化による必要運転資金の増減を把握する指標です。
6.安全性 自己資本比率【計算式】純資産総資産
総資産のうち、返済義務のない自己資本が占める比率を示す指標です。自己資本の増加はキャッシュ・フローの改善につながります。


コミュニケーションを深めて金融機関との関係を強化しよう!

社長:ロカベンをどのように利用すればいいのですか?

税理士:ロカベンの直接の利用者は、金融機関や税理士などの経営革新等認定支援機関ですが、経営者と金融機関とが、経営について語るための「共通の言語」のようなものですから、社長が自社のロカベンを知り、非財務情報の着目点を検討していくことで、経営課題の改善につなげることができます。

社長:ロカベンを通じて、金融機関と認定支援機関等とのコミュニケーションが深まれば、関係強化につながりますね。

税理士:ロカベンの帳表は、TKCの「ローカルベンチマーク・クラウド」を利用して、FX2のデータから作成することができます。
「TKCモニタリング情報サービス」を利用すれば、ロカベン帳表の他、決算書や申告書をインターネット経由で金融機関へ提供することも可能です。

<非財務情報(4つの着目)...問題点を改善し、今後の方向性を導き出す>

1.経営者への着目 経営者との対話によって、経営者自身を知ること。
経営者が高齢であれば、事業の持続性の視点から、事業継承の方針を確認する必要があります。
  • 地域経済での経営者の立場や経営手腕等
  • 経営者の思い、事業の方向性、ビジョン、経営理念
  • 経営者の再生に対する意識、スタンス
  • 後継者の有無
2.事業への着目 事業が何で収益を上げているのか、その仕組みはどうなっているのかを理解し、事業の強みと課題を知ること。
  • 事業の商流(受注、発注、出荷、在庫保管、販売管理など取引関係の流れ)
  • ビジネスモデル、製品、サービスの内容
  • 市場規模・シェア、競合他社との比較
  • 事業用資産の有効活用
  • 技術力、販売力の強みと課題
  • IT能力、イノベーションの状況
3.企業を取り巻く環境・関係者への着目 企業を取り巻く市場環境の把握や、販売先や取引先からの評価や従業員の動向を知ること。
取引金融機関の数と推移から、金融機関のスタンスやメインバンクとの関係などを推し量る。
  • 顧客リピート率、主力取引先企業の推移
  • 従業員の定着率、勤続日数、平均給与、年齢構成
  • 取引金融機関関数とその推移、金融機関との対話の状況
4.内部管理体制への着目 同族会社では、属人的な経営が多いと想定され、内部管理体制の整備状況が重要になる。
  • 同族企業か否か、社外取締役の配置状況、組織体制
  • 経営目標の有無と共有状況
  • 人材育成の方法、システム
  • 社内会議の実施状況
  • コンプライアンス上の問題の有無