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ITを活用した「新サービスの開発」にも税額控除を適用!研究開発税制の改正

2017年7月17日

カテゴリ: 税務

研究開発税制(試験研究を行った場合の税額控除制度)は、これまで製造業による「モノ作り」や「技術の改良・発明等」が対象でしたが、平成29年度税制改正では、IT等を活用した「新たなサービスの開発」まで対象が拡大され、適用の幅が広がりました。

新たなサービスの開発とは?第4次産業革命に対応
研究開発税制とは、「製品の製造」や「技術の改良、考案、発明」のための試験研究費(人件費や委託費、経費など)がある場合に、その事業年度の法人税額から、試験研究費の額に税額控除割合を乗じて計算した金額を控除できる制度です。
試験研究とは、工学的・自然科学的な基礎研究、応用研究及び開発・工業化等を意味するもので、必ずしも新製品や新技術に限りません。現に生産中の製品の製造や既存の技術の改良等のために試験研究も対象になります。

試験研究費の範囲

  1. その試験研究を行うために要する原材料費、人件費(専門的知識をもってその試験研究の業務に専ら従事する者に係るものに限る)及び経費
  2. 他者に試験研究を委託する場合の委託研究費
  3. 技術研究組合に賦課される費用


平成29年度税制改正では「2020年までに官民合わせた研究開発投資を対GDP比4%(政府1%、民間3%)」とするという政府目標を踏まえ、企業の研究開発投資へのインセンティブを高めるため控除額の上限や適用対象が拡大されました。

注目すべき点は、IoT(モノのインターネット)、AI(人工知能)やビッグデータ等の活用に代表される「第4次産業革命」に対応した新サービスの開発にかかった試験研究費が適用対象に加わったことです。

第4次産業革命型のサービスを事業とする会社は、税制の優遇を受けやすくなります。

ITに精通したベンチャー企業やイノベーションによる付加価値の高い製品・サービスの登場に期待が高まります。

研究開発税制のここが変わった!
平成29年度税制改正では、従来の「製品の製造、技術の改良・考案・発明にかかる試験研究費」に加え、「第4次産業革命型の新たなサービスの開発にかかる試験研究費」が追加されました。
また、中小企業については、試験研究費(原材料費、人件費、委託費、経費など)の増加率(増減試験研究費割合)が5%を超える場合には、最大17%まで控除割合が上乗せされました(平成29年4月1日~平成31年3月31日まで)

試験研究費の増加が5%を超える場合(拡充) 控除できる割合:試験研究費の12~17%
控除できる上限:法人税額の35%まで
試験研究費の増加が5%以下の場合 控除できる割合:試験研究費の12%
控除できる上限:法人税額の25%まで


対象となるサービス開発のイメージ

  1. ドローンを使った自然災害予測
    山地の地形や土砂、河川の画像データをドローンで収集し、降雨、降雪などの気象データ等と合わせて分析し、より精緻でリアルタイムな自然災害予測を通知するサービスなど。
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  2. ウエアラブル端末によるヘルスケア
    ウエアラブル端末を使って、個人の運動や睡眠状況、食事、体重、心拍等の健康データを分析することで、各個人に最適なフィットネスプランや食生活の推奨や、病院受診勧奨を行うサービスなど。
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  3. データ分析による農家の支援
    センサーを利用して農作物や土壌、農地の温度・湿度に関するデータと気象データを分析し、効果的な農作業のための情報を配信するサービスなど。
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  4. 精度の高い観光情報
    ドローンや人工衛星等によって収集した画像や気象、生態系のデータ等を分析することで、高付加価値の観光資源だが発生頻度の低い自然現象(例、ホエールウォッチング)の発生を精緻に予測するサービスなど。
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<新サービス開発のイメージ>
データの収集:センサー等を活用して、自動的に種々様々なデータを収集
 ↓
データの分析:専門家が、AI等の情報解析技術によってデータを分析
 ↓
サービスの設計:データの分析によって得られた一定の法則性を利用した新たなサービスを設計
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サービスの適用:当該サービスの再現性(同じ事象が繰り返し起こる、観察できること)を確かめる