MENU

福耳通信

miyachannel

HOME > 福耳通信 > 子育て・介護と仕事との両立を支援する助成金の活用

子育て・介護と仕事との両立を支援する助成金の活用

2017年6月26日

カテゴリ: 労務

政府の「働き方改革」では、子育て(出産・育児)・介護と仕事との両立支援が掲げられています。
近年、子育てや介護のために離職する従業員が増加傾向にあります。働き盛りや経験豊富な従業員の離職は企業経営の痛手であり、家庭と仕事との両立ができる職場づくりが求められています。

介護離職は年間10万人超「隠れ介護者」が1,300万人
介護のために仕事を辞める「介護離職者」は、年間10万人を超え、今後、団塊の世代が70歳代に突入することに伴い、その数は増加すると見込まれています(総務省調査)。
「会社に迷惑をかけたくない」「周囲に知られたくない」などの理由で、家族の介護を隠している「隠れ介護者」は、全国に1,300万人いるとされ、やがて介護離職してしまう可能性が高いと言われています。
その一方で、出産や育児のために離職する女性が多く、4人に1人は、「仕事を続ける意思はあったが、家庭との両立が難しかった」と離職の理由を挙げています(内閣府調査)。
政府は、「働き方改革」の中で、保育士・介護職員の処遇改善などを通じて、子育て・介護の受け皿を充実させようとしていますが、企業においても、仕事との両立ができる職場環境づくりが求められています。

子育て・介護を支援する職場づくりのための助成金
人材に余裕がなく、新たな人材の確保もままならない中小企業の場合、子育て・介護を理由に従業員が退職してしまうと、経営上の大きな損失となります。
経営者は、子育て・介護を従業員個人の問題として捉えるのではなく、これからの経営の課題として、子育て・介護の休業制度や離職者が職場復帰できる体制づくり、就業規則の見直しなどをする必要があります。その場合、助成金を活用するといいでしょう。
従業員が仕事と子育て・介護を両立できる取組等を行った事業主に対して「両立支援等助成金」が支給されます。この助成金は、子育て・介護それぞれの支援への取組ごとにコースがあります。
支給額は、「生産性要件を満たした場合」にはさらに増額されます。
※生産性が3年前と比べて6%以上伸びていること。詳細は、厚生労働省HP「生産性を向上させた企業は労働関係助成金が割増されます」。
mmm3.jpg

(1)介護離職防止支援コース
従業員が、仕事と介護が両立できるように職場環境を整備し、介護休業の取得・職場復帰、又は働きながら介護ができる勤務制限制度(介護制度)を利用しやすくした事業主に支給されます。

介護休業の利用 57万円(72万円)
介護制度の利用 28.5万円(36万円)

※金額は中小企業の場合。()内は、生産性要件を致した場合の支給額。以下のコースも同様。

(2)出生時両立支援コース
男性が育児休業を取得しやすい職場風土作りを行い、男性に一定期間の連続した育児休業を取得させた事業主に支給されます。

取組・育休1人目 57万円(72万円)
育休2人目以降 14.25万円(18万円)

(3)育児休業等支援コース
1.育休取得時・職場復帰時
「育休復帰支援プラン」を作成し、プランに沿って従業員に育児休業を取得させ、職場復帰をさせた事業主に支給されます。

育休取得時 28.5万円(36万円)
職場復帰時 28.5万円(36万円)
育休取得者の職場復帰支援の取組をした場合 19万円(24万円)
※職場復帰時に加算支給

2.代替要員確保時
育児休業を取得した従業員の代替要員を確保し、休業取得者を原職等に復帰させた事業主に支給されます。

対象者1人当たり 47.5万円(60万円)
対象者が有期契約の場合 9.5万円(12万円)加算

mmm2.jpg

(4)再雇用者評価処遇コース
妊娠、出産、育児又は介護を理由として退職した者が、就業が可能になったときに復帰でき、適切に評価され、配置、処遇される再雇用制度を導入し、希望する者を採用した事業主に支給します。

再雇用1人目 38万円(48万円)
再雇用2-5人目 28.5万円(36万円)

mmm1.jpg

助成金を受給するには
これらの助成金の申請にあたっては、例えば、従業員の実態把握(アンケートの実施など)、介護や育休復帰支援などのプラン作成、法令の要件を満たした社内制度の見直し等とそれに基づく就業規則の改定などの要件を満たす必要があります。
予め、具体的な計画を立てて、支援体制づくりを行う必要があります。
なお、申請受付は、通常、企業がすべての取組を実施してから2ヵ月以内となっています。
申請期限を1日でも過ぎると受給できません。
支給要領や「支給申請の手引き」は、厚生労働省HPに掲載されています。
ただし、年度の途中でも所定の予算枠を超えた場合等は、新規受付が停止されることがあります。
なお、助成金を受けるには雇用保険に加入していることが大前提です。また、就業規則や労働者名簿、賃金台帳、出勤簿、雇用契約書、労働条件通知書などを整備・保管しておきましょう。