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契約書の印紙税はここに注意!

2017年6月19日

不動産売買契約書、工事請負契約書、金銭消費貸借契約書などの契約書は、印紙税法上の課税文書として、定められた金額の収入印紙を貼ります。
貼り忘れや税額不足などを、税務調査時に指摘されることがないよう、注意が必要です。

こんな時はどうする?

Q. 文書の表題等に「○○契約書」という名称が無ければ、印紙は不要ですか?

A. 印紙を貼る必要があるかどうかは、「○○契約書」などの文書の表題や名称で判断するのではなく、文書の記載内容が契約の成立などを証明するかどうかで判断します。
例えば、「合意書」「覚書」などでも、それが相手との契約の成立や変更を証明する「紙」の文書であれば、印紙税法上の契約書になります。
「申込書」「注文書」「依頼書」などは、一般的に契約書に該当しないため、印紙は不要ですが、注文に対する「注文請書」(請書)になると、双方が契約を合意した文書となるため、印紙が必要になります。

<印紙を貼る必要がある契約書も例>

  • 不動産売買契約書(1号文書)
  • 金銭消費貸借契約書(第1号文書)
  • 請負契約書(第2号文書)
    (工事請負契約書、注文請書など)
  • 継続的取引基本契約書(第7号文書)
    (売買取引基本契約書、特約店契約書、代理店契約書、業務委託契約書など)
  • 債務保証に関する契約書(第13号文書)
  • 債務譲渡又は債務引受に関する契約書(第15号文書)など

印紙税は、契約書や領収書など「印紙税額一覧表」(印紙税法別表第一「課税物件表」)に掲げられた文書(課税文書)に対して課税されます。
※印紙税額は、文書の種類と記載金額によって異なります。「印紙税額一覧表」で確認します。

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Q. 契約書を2通以上作成した場合、すべてに印紙を貼る必要がありますか?

A. 一つの契約において、契約書を2通以上作成する必要があります。印紙税は、文書課税ですから、この場合は、作成したすべての契約書に印紙を貼る必要があります

Q. 契約書のコピーにも印紙は必要ですか?

A. 契約書のコピーは、不正などの単なる複写にすぎないため、印紙を貼る必要はありません。契約書を1通作成し、一方が原本を所持し、もう一方は、「控えとしてコピーを所持する」のであれば、原本のみに印紙を貼付します。
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Q. 契約書をPDFなど電子的記録として電子メールで送信する場合、印紙は必要ですか?

A. 印紙税は、文書課税ですから、電子メールやFAXなどの電子データで送付される「電子的契約書」に対しては課税されません
紙の契約書に記名捺印して電子メール等で送信するのみで、原本を相手に交付しなければ、印紙を貼る必要はありません。ただし、契約内容の改ざんなどのトラブルが起きないよう防止策を施す必要があります。
現在は、これらの電子文書には印紙税はかかりません。

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Q. 印紙を貼っていない契約書の契約内容は、法律的に有効なのですか?

A. 印紙が貼っていなかったり、消印がなくても、契約書自体は有効です。
印紙はあくまでも、税金の問題であって、文書の効力には関係ありません。だからといって、故意に貼らないことは許されません。

印紙の貼り忘れ等がないか確認しよう!
契約書等への印紙の貼り忘れを、税務調査で指摘されると、印紙税額の3倍または、1.1倍の過怠税が課せられます。
過怠税は、損金算入ができないうえ、契約金額によっては税額が高額になるため、注意が必要です。
工事業者などは、注文書、請書、作業指示書など様々な名称の書類をやり取りすることが多く、税務調査で、工事の受発注の書類を「請負(契約書)」と指摘されることがあります。
自社の契約書類を点検し、印紙が正しく貼られているかを確認しましょう。

特定の印紙税額を超える金額の印紙を、誤って貼ってしまったときは?
「本来納付すべき金額以上の収入印紙を貼ってしまった」「課税文書でもないものに印紙を貼ってしまった」、あるいは「印紙を貼ったあと、書類を書き損じた」などといったケースがあると思います。
貼り間違えた印紙を(消印をしていなくても)剥がして再利用することは違法になります。
誤って印紙税を納めた場合には、印紙が貼り付けられた文書を税務署に持参すれば、還付の手続きをすることができます。その際、印鑑(法人は代表者印)が必要になります(還付は、銀行振込や郵便口座への送金になります)。
文書から、印紙を剥がしたり、切り取ったりすると還付手続きが出来ません。
印紙税の時効は5年ですので、5年を超える過誤納の還付は受けつけられません。