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印紙税の基礎知識(1)<貼り忘れ等に注意>

2016年12月19日

カテゴリ: 税務

飲食業、宿泊業や建設業のように、領収書や契約書など収入印紙(印紙)を貼らなければならない文書が比較的多い業種では、法人税や消費税の税務調査と併せて、印紙税の調査が行われることがよくあります。調査では、印紙の貼付の誤りや貼り忘れなどが指摘されます。

印紙を貼らなければならない文書
印紙を貼らなければならない文書を課税文書といい、「印紙税額表」に掲げられた20種類の課税文書とその記載金額をもとに定められた税額分の印紙を貼ります。
課税文書のうち、一定の金額未満が非課税とされる文書(受取金額が5万円未満の金銭の受取書等)などは非課税文書とされ、印紙を貼る必要はありません。また、印紙税額表に掲げられていない文書は、不課税文書とされ、印紙税は課税されません。

タイトルだけで判断しない
印紙を貼る必要がある文書かどうかは、文書の内容によって判断されタイトル(名称・呼称等)とは関係ありません。
例えば、物品の売買代金の受領の際して、領収書を発行せず、請求書に「代済」「了」などと表示して済ませている場合があります。
この場合、タイトルが「請求書」であっても、文書に記載された金額を受領したという意味であることから、金額の受取書に該当するため、印紙の貼付が必要になります。
そのほか、文書のタイトルが「覚書」「念書」となっていても、記載内容が請負や継続取引(特約店や代理店など)に関する契約内容であれば、課税文書と判断されます。

印紙税では、印紙を貼り、消印(割印)をすることで、納付したことになります。
消印は、印紙の再使用を防ぐためのものですから、必ずしも契約者や文書作成者自身が消印をする必要はなく、代理人、従業員が消印をしても問題はありません。印章も、契約書等に押した印でなくても、消印者の印章(署名でも可)で差し支えありません。
消し方としては、文書と印紙の彩紋とにかけて印章等ではっきりと印紙を消します。単に「印」と表示したり、斜線を引いただけでは、消印をしたことになりません。

<課税文書・不課税文書の例>

課税文書の例不課税文書の例
  • 不動産の譲渡契約書
  • 土地の賃借権の設定または譲渡契約書
  • 金銭消費賃借契約書
  • 請負契約書
  • 約束手形、為替手形(10万円未満は非課税文書)
  • 継続的取引の基本となる契約書(特約店契約書、代理店契約書、銀行取引約定書など)
  • 領収書(5万円未満は非課税)
    ※1万円未満は非課税文書になります。
  • 委任状
  • 労働者派遣契約書
  • 建物賃貸借契約書
  • 抵当権設定契約書
  • 電子文書による契約書や領収書

貼り忘れ等には最高で3倍のペナルティー
例えば、課税文書であることを知らなかったり、単なる貼り忘れで印紙を貼っていなかった、あるいは印紙を貼ったものの金額不足や消印漏れがあったという場合があります。税法では、故意、過失に関係なく、印紙が正しく貼られていなければ、納めなかった印紙税額の3倍の過怠税(本来の印紙税額+その2倍相当の金額。最低1000円)が追徴されます。
ただし、貼り忘れ等に気づいて、自己申告(不納付の申し出)をした場合には、過怠税は1.1倍(本来の印紙税額+その10%相当の金額)に軽減されます。
消印漏れについては、消印されていない印紙の額面と同額の過怠税が追徴されます。
過怠税は、その金額が法人税の損金や所得税の必要経費にはなりません。
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<印紙税の時効は5年>
過去の契約書等の課税文書に印紙の貼り忘れ等があったとしても、5年を過ぎれば時効となります。

※契約書、受取書の印紙税の取扱い等については、2月号以降で解説します。

<参考>
消費税額等を含むかどうかで、印紙税額が変わることも!?

不動産売買契約書、請負契約書、領収書などの金額に消費税額等が含まれている場合に、消費税額等が明らかな場合には、記載金額に消費税額等は含めません(免税事業者については、消費税額等の金額が区分記載されていても、消費税額等に相当する金額は記載金額に含めます)。
印紙税は、課税文書の記載金額に応じて税額も大きくなりますから、取引金額によっては、消費税額を明らかにすることで、節税になる場合もあります。

【例】請負金額1,080万円、うち消費税額等80万円の場合
請負金額1,080万円 税抜価格1,000万円
請負金額1,080万円 うち消費税額等80万円
請負金額1,000万円 消費税額等80万円
計1,080万円

消費税額等が明らかなため
記載金額は1,000万円
印紙税は1万円


請負金額1,080万円(税込)
請負金額1,080万円 消費税額等8%を含む

消費税額等が明らかなため
記載金額は1,000万円
印紙税は2万円