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自社の事業内容(強み等)を整理してみよう

2016年10月10日

会社の今後の継続的な発展のために、自社の事業の特徴や強みは何かを客観的に掘り下げてみることが必要です。
自社の事業内容

事業を評価する4つの着目点
自社の事業の特徴や強みについて、経営者や社員はよく分かっているつもりでいても、客観的に把握しきれていないことがよくあります。外部から見た会社の特徴や強みと経営者等の認識とにはギャップがあるようです。
一方、外部の金融機関では、融資を検討する際、担保や保証に過度に依存せず、会社の事業内容や成長可能性を重視する「事業性評価」を実施することを、金融庁から指導されています。
事業性評価では、財務情報(売上高や限界利益、キャッシュ・フローの増減など)とともに非財務的な情報を分析して、目に見えない強みを評価することが励行されています。
その際の視点として、次の4つの着目点があります。

  1. 経営者への着目
  2. 事業への着目
  3. 関係者への着目
  4. 内部管理体制への着目

<非財務情報の4つの着目点>
金融機関は財務情報に加えて下記のような非財務情報(目に見えない強み)を経営者との対話を通じて把握し、経営者の気づきを促すことが求められています。

経営者への着目
  • 経営者自身のビジョン、経営理念
  • 後継者の有無
事業への着目
  • 事業の商流
  • ビジネスモデル、製品・サービスの内容、製品原価
  • 市場規模・シェア、競合他社との比較
  • 技術力、販売力の強み/弱み
  • ITの能力:イノベーションを生み出せているか
関係者への着目
企業を取り巻く環境
  • 顧客リピート率、主力取引先企業の推移
  • 従業員定着率、勤続日数、平均給与
  • 取引金融機関数とその推移、金融機関との対話の状況
内部管理体制への着目
  • 組織体制
  • 社内会議の実施状況
  • 経営目標の共有状況
  • 人事育成システム


事業の特徴や強みを書き出す

以下の項目に沿って、整理してみましょう。

(1)経営者自身のビジョン・経営理念
創業者であれば何のために事業を興したのか、後継者であれば経営者として自分のビジョンは何だったのかを改めて明確にします。
具体的には「経営理念」や「将来の目標」などです。
※経営者が高齢の場合、事業継続の方針。

(2)自社の事業
自社は何で収益を上げているのか、それをどのような仕組みで実現しているのかといった点から、事業の強みと課題を把握します。


(3)自社を取り巻く環境
自社を取り巻く市場環境のみならず、販売先や取引先の動向、ビジネスチャンスとなる世の中の動きなど。


(4)社内の管理体制
中小企業の多くが同族経営であり、内部管理体制が未整備であることがあります。
具体的には「月次で業績を把握する体制」や「IT活用による経営の効率化」などです。

下記のシートに記入しましょう。記入した内容は、次年度の経営計画を作成する際の参考資料等として活用しましょう。

<我が社の事業内容(強み等)を把握するシート(例)>

具体的な項目記入欄
経営理念  
経営ビジョン(3年~5年)  
将来の目標(事業継承の予定等)  
自社のビジネスモデルの特徴  
主力商品・主力サービスは何か  
技術力・販売力などで他社より優れているところを3点あげる  
自社の製品やサービスで改善可能なことを3点あげる  
開拓可能な潜在顧客  
ビジネスチャンスとなる世の中の動き(法律改正など)を2点あげる  
ライバル会社の動向  
商圏と主要な取引先の推移  
月次業績を速やかに把握して経営に活かす体制  
IT化による効率化の可能性  
社員の年齢分布  
社員の育成方法の現状と課題