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中小企業等経営強化法が成立h<生産性向上の取組みに支援措置>

2016年8月 2日

平成28年5月、中小企業や小規模企業の生産性向上を図るための中小企業等経営強化法が国会で可決・成立しました。
一定の条件を満たす機械装置を新たに導入した場合、固定資産税が3年間、1/2に軽減されるなどの支援措置が盛り込まれています。

中小企業の生産性向上を後押しする法律
厳しい経営環境にある中小企業等の生産性向上(経営力向上)を支援するため、「中小企業の新たな事業活動の促進に関する法律」を改正した中小企業等経営強化法が国会で可決・成立しました。
施行は、公布の日(平成28年6月30日)から3ヵ月以内とされていますが、政府はできる限り早い時期の施行を目指しています。
なお、経営強化法には、税制上の優遇措置などがありますので、生産性向上のための事業計画作りに取り組みましょう。

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中小企業等経営強化法の概要
中小企業等経営強化法では、以下のような流れで中小企業等への支援が行われます。

  1. 認定基準となる事業分野別指針が公表される
    それぞれの事業の特性を踏まえ、事業者が行うべき経営力向上のための取組みや方法等を示した「事業分野別指針」が示されます。
    その指針は経営力向上計画の認定基準になります。経営力向上についての優良事例も公表されます。
    ※「経営力向上の取組み」とは、商品・サービスの見直しのための顧客データの分析・ITを活用した財務管理の高度化、人材育成などをいいます。

  2. 経営力向上の事業計画を提出して認定を受ける
    中小企業・小規模事業者等は経営力を向上させるための事業計画(経営力向上計画)を「事業分野別指針」に沿って作成し、国の認定を受けることができます。
    なお計画策定・実施には、認定経営革新等支援機関になっている税理士・税理士法人等がサポートします。
    ※認定経営革新等支援機関(認定を受けている商工会議所、商工会、税理士、金融機関、中小企業診断士など)の業務に、経営力向上に係る支援が追加されます。

  3. 認定事業者の特典が受けられる
    認定を受けた事業者(認定事業者)は、以下の支援措置が受けられます。

    <支援措置>
    1.計画に基づいて生産性を高めるための機械装置等を購入した場合に固定資産税の課税標準を2分の1に軽減(3年間)
    2.商工中金による低利融資
    3.信用保証協会の保証限度額の別枠・保証枠の拡大
    4.食品製造業者等が民間金融機関から融資を受ける際の債務保証(食品流通構造改善機構)等々


<経営力向上計画作成のステップ>
生産性を向上させていくには、周囲の環境を考慮しつつ、自社の強みを意識したビジネスモデルを構築していくことが重要となります。経営力向上計画作成では、まず自社の置かれた環境を把握し、自社の強み・弱みを見直すことから始めます。
なお経営力向上計画作成では、認定支援機関である税理士等のサポートを受けましょう。

ステップ1自社の強みをしっかりと把握する
まずは強みを書き出す(SWOT分析などが有効)。 自社の強みの源泉や大切なものは何かといったことからたな卸をして、どのような強みがあるか整理する。

ステップ1.自社の強みをしっかりと把握する
まずは強みを書き出す(SWOT分析などが有効)。自社の強みの源泉や大切なものは何かといったことからたな卸をして、どのような強みがあるか整理する。
ステップ2.自社の強みがどのように利益につながるかをまとめる
自社の強みがどうやって利益につながってきたのか、またつなげていくのか、を過去の実績を踏まえ、経営方針としてまとめる。その過程で、財務上の数字と強みなど非財務的な要素と関連づける。
ステップ3.経営方針を明確にし、管理指標を特定する
上記の経営方針を実現するために、そのコア部分について、社内の目安となる管理指標を特定する。
ステップ4.計画としてまとめる
「経営力向上計画」を作成する。上記の管理指標のうち開示可能なものを経営方針と合わせて示すことで、経営者と社員の意識共有が増大する。
ステップ5.経営の実践
経営方針、管理指標を社内に徹底させ事業を実施する。管理指標をもとに実績を定期的にチェックし改善を行うこと(PDCAマネジメントサイクル)も重要。


固定資産税(償却資産税)が1/2に軽減される条件は?
中小企業等経営強化法の支援措置の一つとして、認定を受けた中小企業者等(資本金1億円以下の企業)が、一定の機械及び装置を新規に取得した場合、3年間、固定資産税の課税標準が2分の1に軽減されます。例えば、同法施行日から平成28年12月末までに取得した設備は、同29年1月1日時点の所有する資産として申告され、同29年、30年、31年度の3年間、固定資産税が半減されます。赤字の中小企業が機械等を取得した場合も減税効果が期待できます。
適用となる「一定の機械及び装置」とは次の要件をいずれも満たすものです。

<機械及び装置の適用要件>
強化法の認定を受けた経営力向上計画に基づいて取得する新規の機械装置
1台または1基の取得価額が160万円以上のもの
販売開始から10年以内のもの
旧モデルと比べて生産性(例えば、単位時間当たりの生産量、エネルギー効率など)が年平均1%以上向上するもの

同法施行日から平成31年3月31日までの間に取得したものに適用できます。
※なお、生産性向上設備投資促進税制は平成29年3月31日の適用期限をもって廃止されます。