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7月1~11日は、社会保険(健康保険・厚生年金保険)の「被保険者報酬月額算定基礎届」(算定基礎届)の提出時期です。
標準報酬月額の算定にあたって、現物給与の漏れに特に注意しましょう。
算定基礎届の具体的な手続き
毎月の社会保険料は、実際の給与額(社会保険では「報酬」という)ではなく、区切りの良い区分(厚生年金30段階・健康保険50段階)した「標準報酬月額」をもとに、原則として年一度、計算します。
標準報酬月額については、毎年7月1日現在の被保険者全員を対象に、4月、5月、6月に支払った報酬の平均額を算定し、「算定基礎届」を年金事務所や健康保険組合などに提出します(これを「定時改定」という)。
新しい保険料は9月分(10月納付分)から翌年8月分(9月納付分)まで適用となります。
ただし、昇給等により給与等が大幅に変わったときは、「月額変更届」を提出し、標準報酬月額を改定します(これを「随時改定」という)。
※7月1日現在の全被保険者が届出の対象ですが、6月1日以降入社した従業員、もしくは7月改定の月額変更届を提出する従業員については、算定基礎届を提出する必要はありません。
※昇給などにより、基本給などの固定的な賃金(残業代などの変動的なものは含まれない)が変動し、変動後3カ月間の平均から算定した標準報酬月額が、2段階以上変わった場合に行います。
報酬に含まれるもの
標準報酬月額算定のもとになる報酬には、基本給のほかに、残業手当などの諸手当や通勤手当などすべての報酬が含まれます。
現物給与も含まれるので、注意しましょう。
※通勤手当は、税金(所得税)を計算するときには、収入(所得)には含まれません(一定の金額までは非課税)が、社会保険の報酬には含まれます。
<報酬になるもの>
【通貨によるもの】
【現物で支給されるもの】
現物給与の合算漏れに注意
現物給与は、現物を通過に換算し、報酬と合算して標準報酬月額を算定しますが、年金事務所等から合算漏れを指摘されるケースが増えていますので、特に注意してください。
食事や住宅を支給している場合
「厚生労働大臣が定める現物給与の価額」に基づいて都道府県別に定められています。
<現物給与価額の一例>
・1人1ヵ月あたりの食事の額
東京都:19,500円、北海道:18,600円
・1人1ヵ月当たりの住宅の利益の額
大阪府:1,620円(畳1畳につき...ただし、玄関、台所、トイレ、浴室、廊下など居住用でない場合は含めません)
※日本年金機構HP:「全国現物給与価額一覧表」より
なお、住宅、食事の現物給与価額について、給与から家賃や食事代を徴収(従業員が負担)している場合は、現物給与の価額から徴収額を引いた価額が現物給与の価額となります。
ただし、現物給与価額の3分の2以上を食事代として徴収している場合には、食事の供与はないもとして取扱います。
※住宅の現物給与の場合、家賃等として現物給与価額の3分の2以上を徴収しても、この取扱いはありません。
自社製品や通勤定期券など食事・住宅以外のものを支給している場合
原則として時価に換算します。ただし、報酬等の価額について、労働協約に定めのある場合は、その価額を「時価」とします。
<住宅、食事の現物給与価額の計算例>
(1)東京都にある会社で、従業員に食事を供与している場合
・1ヵ月当たりの現物給与価額:19,500円
・1ヵ月当たりの食事代の徴収額:8,000円
・現物給与価額の3分の2の価額:13,000円
食事代の徴収額 8,000円<現物給与価額の3分の2 13,000円
現物給与価額 11,500円
(2)北海道にある会社で、従業員に食事を供与している場合
・1ヵ月当たり現物給与価額:18,600円
・1ヵ月当たりの食事代の徴収額:12,400円
・現物給与価額の3分の2の価額:12,400円
食事代の徴収額 12,400円≧現物給与価額の3分の2 12,400円
現物給与価額 0円(現物給与価額の3分の2以上を徴収しているため)
(3)大阪府にある会社で、従業員に住宅(2DK:リビング+寝室=16畳)を供与している場合
・1ヵ月当たりの現物給与価額(1,620円16畳)25,920円
・1ヵ月当たりの家賃の徴収額:20,000円
現物給与価額 5,920円
※金額は、上記「現物給与価額の一例」より
※TKC戦略給与情報システム(PX2)の利用企業は、毎月処理した給与データを基に、「算定基礎届」を作成することができます。磁気媒体届書の作成により、電子申請システムによる提出も可能です。
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